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Session9. 池田信夫氏に内藤忍が直撃!日本経済と財政・金融はこれからどうなる?│第7回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

不動産投資

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Session9. 池田信夫氏に内藤忍が直撃!日本経済と財政・金融はこれからどうなる?│第7回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

「第7回 世界の資産運用フェア」 パネルディスカッションレポート

Session9. 池田信夫氏に内藤忍が直撃!日本経済と財政・金融はこれからどうなる?

■開催日時:2018年2月3日(土) 17:30〜18:00(30分)
■開催場所:大手町サンケイプラザ4Fホール
■モデレータ:内藤 忍 氏
■登壇者:池田 信夫 氏
■レポーター:黒坂 岳央


 

これからの日本の経済や財政の先行きについては、空前の株高に浮かれている今日においても多くの人が不安を抱えているだろうか。いや、好景気だからこそそれがいつ終わってしまうのか?それが気になるのは無理からぬことだ。今後の日本経済の行方とアゴラ研究所所長の池田氏が大胆予想する。

■日本経済と財政・金融はこれからどうなる?

—仮想通貨はバブルなのか?

池田氏は今度のコインチェックを「複雑なようで実はとても単純な盗難事件だ」という。
インターネットから直接アクセスできるホットウォレットに通貨を保管し、マルチシグも実装していなかった「セキュリティが脆弱な企業が狙われた」この事件、「仮想通貨そのものが危険で脆弱」というマイナスイメージを世間に与えてしまったが、実は仮想通貨は極めてセキュリティの高い仕組みだ。
1万円札はカラーコピーして偽造できるが、仮想通貨はそのようなコピーは不可能。世界中の人が見ていてあらゆる取引の履歴も残る。
そしてその通貨の持ち主は一人しかいない。

「いうなれば日銀券よりはるかに安全な仕組みといっていい」と池田氏はいう。

それに対して内藤氏も「野口悠紀雄氏はコインチェック事件を“現金輸送車が強盗にあったようなもの”と分かりやすく表現した。

“警備員が一人しかいない現金輸送車入れた580億円を強奪されたようなもの”というのだ。

現金を強奪されたからといって、現金を責める人はいない。だが、コインチェック事件では仮想通貨そのものをネガティブに見ている人が出ているので、正しく考える必要がある。マルチシグを実装し、適切に保管していたら防ぐことが出来ていた事件だったと内藤氏はいう。

また、内藤氏は多くの人が持っている疑問について池田氏へ問いかける。

「ビットコインは100万円切るくらい下落しているがバブルなのか?」。

対して池田氏はこう応じた。「ブロックチェーン技術自体は素晴らしいもので、実は通貨以外にも応用できる。

ビットコインやネムの価格相場は高すぎると見ている。
ビットコインを通貨として捉えるならば、“通貨として使用できる”ことが本来の価値であるはず。
今は価格の乱高下が激しく、通貨としては使いものにならない。
1ビットコインに100万円の値段が付いているが、これは80年代の不動産に大変高い値段がついて売れていた状況と同じだ。
ビットコインについてはほぼ100%バブルと見ている。
これから価格が落ちて今の10分の1くらいの値段になってもおかしくない」。

池田氏はビットコインをバブルと見ているのだ。
内藤氏は仮想通貨は変動率が激しく、貨幣の保存手段を満たしていない点が問題と指摘した。
そして池田氏は仮想通貨の未来をこう論じる。

「仮想通貨の市場が大きくなれば、現状のFX市場のように安定していく。仮想通貨が通貨として意味を持てるのかが鍵だ。仮想通貨が安定し、日常的に日本銀行券と替える手段になり得るのか?日銀券の価値は国家が保証しているからこそ価値がある。そうでなければただの紙切れにすぎない。ビットコインもネムも実質はただの紙切れと同じで、国家の保証しない1000円札と同じようなもの。残念ながら今のところ価値が出る見通しはない」と。

そしてこう続けた。

「ブロックチェーン技術はとてもセキュリティが高いもの。技術的にコインをコピーしたり、偽コインを作ることは出来ないようになっている。通貨として使えるかどうかは分からないが、通貨以外の有用な使い道が検討されている。リップルは国際送金が安いし、イーサリアムは帳簿、登記簿のような機能を有している。イーサリアムの技術を活用して土地登記の架空取引を防止することができる。実は所有権を証明することは簡単なことではない。所有権は国家が認めるもので、例えば自分がかけているこのメガネの所有権を証明するのは難しい。池田がかけている間はみんなこのメガネを池田のものと疑う人は少ないが、机の上においてその場を離れてしまうと池田のメガネだと証明することは容易ではない。お金も同じで裸のまま置いておくと簡単に持ち去られてしまい、後から自分のものだったと証明することは簡単ではない。だが、仮想通貨の場合はデジタルで所有権を絶対的に保証してくれるものだ。これは仮想通貨が持つ、所有権の証明という通貨以外に活用できる機能の一つだ。また、音楽の違法コピーがあるのはその音楽の本来の持ち主が分かりにくいから起こってしまうもので、ブロックチェーンでデジタル証明をつけることで音楽の違法コピー防止も可能になる」という。

内藤氏はブロックチェーンの所有権について、池田氏の見解に同意した。

「ブロックチェーンを使えば、登記簿謄本を偽造したり、偽札を作れなくなる。登記簿謄本は法務局が所有権を証明しているが、ブロックチェーンはデジタルで証明してくれる。通貨だけではなく、ブロックチェーン技術で色んな利用法が考えられる」と内藤氏はいう。

そして世の中には1000種類以上の仮想通貨が存在するが、今後その数は収斂していくと池田氏は理由をつけて話す。

「1000種類の通貨は多すぎる。これからその総数を減らしていき、有用なものをGoogleやAmazonといった企業がサービスに取り入れることで人々の生活が便利になり、生き残るものも出てくるだろう」と。内藤氏は「今あるものの90%以上の通貨は誰も使わなくなり、利用価値がなくなって自然淘汰されていく。その中の幾つかは実際の決済に使われることで生き残るだろう」と数の多い仮想通貨の未来を予想する。

池田氏は一見、ブロックチェーンと無関係のように思える日銀にこそ活用できると、次のようにいう「日銀は毎日銀行間の取引をする日銀ネットのシステムを使っている。もちろん取引情報は暗号化されているが、これを解読されてしまう可能性がある。
だがブロックチェーンを使えば解読はできなくなり、セキュリティレベルを高めることができる。日銀が銀行間決済にブロックチェーン技術を活用できる」。対して、内藤氏は」各国の中央銀行の銀行間決済にブロックチェーンが使われるようになれば、その文脈の中でビットコインなどの仮想通貨も使われるようになるかもしれない」と応じた。

—日本の財政問題はなぜ顕在化しないのか?

今後の日本の経済や財政問題については、多くの人がこの国の先行きを不安に感じている。
この財政問題について、内藤氏と池田氏はどのような考えを持っているのだろうか。
内藤氏はこのような問いかけで口火を切った。

「日本の財政赤字は1000兆円を超えているが、この財政赤字の出口はどこにあるのか?」と。

池田氏は一呼吸置いて次のように回答する。

「日銀の黒田氏は3月で任期満了を迎える。世の中の流れを見ていると、おそらく再任の見込みが高いだろう。彼は失敗とは認めないだろうが、インフレ目標2%は絶望的に届かない。この状況で出口を探していくのが日銀の今後の大きな課題だ。黒田氏が緩やかにテーパリングしていくなら不可能ではない。そう、黒田氏が再任したら次の5年間でソフトランディングは可能かもしれない。日銀の資産の買い入れ額は金額で決まっている。最初からずっと下がっていてテーパリングはステルスという形態を取りながらすでに始まっている」と。

それを聞いた内藤氏はこのように答えた。

「国債の流動性が枯渇していることで、国債マーケットが毀損している。今や日本国債は日銀が買いまくることで適正価格がわからなくなり、正しい値段がつかなくなっている」と。それに池田氏はこういう「債券バブルが起きている」と。

そして「日銀が国債を買い支えている限りはこのまま続く。長期金利は本来、中央銀行がコントロールできる変数ではない。日銀は長期金利が0%だが、マーケットで1%つくようになれば、日銀の含み損につながる。長期金利が2%になれば含み損の額は50兆円にも及ぶ。日銀が50兆円もの含み損のレベルになるとその余波は民間に影響が出てしまう。民間の銀行に出た余波はもはや隠しきれない誰にも可視化された損失となる」と続けた。

内藤氏は「民間に混乱が起きるかもしれない。そして日銀単体の問題というより、体力のない民間銀行に影響が出てしまいマーケットの混乱が起きかねないが、それがいつ起こるのかは分からない」と暗雲垂れ込む未来を見る。
池田氏は今後の金利が鍵だという。

「アメリカはほぼ例外的で金利を上げている。日本もヨーロッパも急には金利を上げられない。グローバルに見れば下がる基調にはならず、金利は上がっていくだろう。黒田氏の次の5年任期でソフトランディングできる可能性はある。だが、以前のリーマンショックのような民間の取り付け騒ぎが起きるとハードランディングになる危険性をはらんでいる」。

それに対して内藤氏は長期金利の押さえ込みをしているが、第2のリーマンショックが起きて突破されてしまうと、市場に対して不安心理が広がる可能性があるという。

更に池田氏はこう続ける。

「日銀はイールドカーブコントロールができるようにミスリードしている。日銀が世界中の債権市場を押さえない限り、長期金利は本来中央銀行がコントロールできる変数ではないのに、日本人はそれを錯覚してしまっている」。

それを聞いた内藤氏は「その圧力が高まると日銀が抑え込めなくなるリスクをはらんでいる。金利に関しては上昇のリスクを押さえておく必要がある」と応じた。池田氏は「金利というものは上がり始めると急に上がる癖がある」と始め、「金利が上がると債権の価格が暴落する。2%金利が上がるとざっくり債権価格は2-3割下がる可能性がある。金利が1%下がると債券は1割下がるのだから、債権価格に大きな変動インパクトがある」と続けた。

「アゴラで掲載された“株式市場は馬鹿なのか?”という記事では、日経平均とGDPの乖離を示した。バフェット指数といって、マーケットの中で債権のトレードを慎重に見ている。株式は値動きしないと面白くないからオーバーシュートする。今の日経平均は日銀が株式を買っていることで上方へオーバーシュートしている」。という。

そしてこう続ける。

「実は日銀の株式というものが存在している。持っている資産規模が大きいから、1割減ったら28兆円も吹っ飛ぶ計算になる。自己資本を超えているのでそれで債務超過になり、20-30兆円規模の損失が出るだろう。帳簿上損失が発生しても日銀法で損失計上しなくていい事になっている。国債は日銀保有率が4割で、後の6割は民間だ。日銀に影響がなくても、民間に影響が出て取り付け騒ぎが起きる懸念がある。本来は流動性を発揮するのが日銀の役割のはずだ。山一證券が潰れた時は、その直後の月曜日に全国の銀行に顧客が行列を作った。大口顧客から何億、何十億の引き出しがあった。今、それが起きたとしたら緊急にお金を手当するのが日銀の仕事なのだが、その時に日銀が債務超過していたら一般会計に損失がついてしまうこれこそが最悪のリスクだ。実際、リーマンショックはそうなった。議会で法案は潰され、その後に債権価格が急落。銀行救済法案をはねたから大暴落してリーマンショックになってしまった」と。

内藤氏は「アメリカの長期金利が上がってきていることで、今後の日本の金利に影響は出るか?」と聞いた。

池田氏は「影響はある。それも予見可能じゃないものが出てきたら問題だ。2020年までに想定する最悪のシナリオとしては、日銀そのものではなく、金融システムが危なくなること。そうなると20年前の山一證券の破綻直後と同じ状況になる。何兆円も公的資金をつぎ込み救済にあたることで、一気に不況感が噴出すると、貯金に走って投資にお金が回らなくなる。日銀のはらんでいる大きなリスクが何かの拍子にトリガーを引いてしまう可能性がある」

という最悪のシナリオを展開したところで、本パネルディスカッションは幕を閉じた。


今後の日本の経済、財政ははたしてどうなるのだろうか?ソフトランディングができるのか?それとも20年前の山一證券破綻に端を発する金融危機に見舞われるのか?それは誰にも分からないことだ。だが、我々には投資という手段でそうしたシナリオに対する備えをする時間的猶予がまだある。いま一度、自身の財務や投資状況を見直してみる機会にしてみてはいかがだろうか?(レポーター:黒坂 岳央)

第8回 世界の資産運用フェア

第7回世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

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