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個人投資家を取り巻く 政治と経済のリスクとその対処方法│第8回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

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個人投資家を取り巻く 政治と経済のリスクとその対処方法│第8回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

「第8回 世界の資産運用フェア」 パネルディスカッションレポート

Session10 個人投資家を取り巻く 政治と経済のリスクとその対処方法

■日時:2018年6月24日(日) 17:45〜18:15(30分)
■開催場所:大手町サンケイプラザ4Fホール
■モデレータ:内藤 忍 氏
■ゲストスピーカー:池田信夫氏、渡瀬裕哉氏
■レポーター:ひだまり


 

米朝の対話が進みだし軍事衝突の可能性が薄れた一方、7月6日、米トランプ政権は中国から輸入するハイテク製品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動すると発表しました。これに対抗して中国も同じ規模の米国産品に報復関税を実施し、「貿易戦争」の様相を呈してきました。
めまぐるしく動く政治と経済。言論プラットフォーム「アゴラ」のツートップ、池田氏と渡瀬氏にご登壇いただき、個人投資家が心得ていくべきポイントをお伺いしました。

北朝鮮問題のこれからのシナリオ

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まずはじめに、米経済に強い渡瀬氏に北朝鮮問題の今後展開に関する見解を伺ったところ、
「アメリカにとって、そもそも北朝鮮との戦争はそれほど優先順位が高くない。アメリカとしては中東のほうが現在進行形で爆弾を落としており、感心が高い。」とのことでした。
5月の頭に共和党議員18人が、朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争の終戦を理由にトランプ大統領を2019年のノーベル平和賞に推薦したそうです。
こういった経緯もあり、共和党としては北朝鮮とは対話の予定で進めており、軍事衝突の可能性は低いと見ているようです。

また「会談中止騒動」の件については、「トランプ大統領と金正恩委員は格が違うことを示したという外交的な意味合いが強い。」とのことです。

アメリカの拘束された人を解放し、核実験場を爆破した直後に会談中止の手紙を送っており、北朝鮮国内への影響を考慮すると会談中止はあり得ないタイミングだったため、アメリカ側のブラフだった可能性が高いようです。

そしてアメリカにとって、イランと北朝鮮はコインの表と裏にあたるとのこと。
イランとの緊張が高まっているときに北朝鮮と衝突することはありません。ただし、イランと手打ちするようケースがあれば、アメリカの関心は東アジアに戻ってくるかもしれないとのことでした。

さらに内藤氏から、「北朝鮮問題は今後、どうなると思う?」と踏み込むと、
「2年半かけてだらだら非核化を進めていくだろう。ただし、中間選挙の前にもう一度、金正恩総書記とアメリカで会うのではないか?といわれている。そこに、韓国の文大統領も来て朝鮮半島の終戦協定を結ぶのではないか?とウワサされている。」と渡瀬氏が応じました。

そして、北朝鮮問題で欠かせないプレイヤー、中国については、
「中国は面白くないと思っているが、貿易戦争でそれどころではない。」と始め、「アメリカは朝鮮半島から台湾有事の話にシフトしている。今年の1月からは台湾に軍事的・外交的にテコ入れするか?という話題があがっている。」と続けました。

また、中国にとって面子の問題はあれど朝鮮半島の統一は境界線が南に下がってくるため、大きく問題ないはず。ただし、日本にとってはこの展開は良くありません。
日本は、先の日米会談で日朝平壌宣言に基づいて、過去の生産と国交正常化と経済支援をするとアメリカで演説しています。
従って、日本は北朝鮮に対し、経済支援をして豊かな鉱物を採りにいくというスタンスだと考えられます。
ちなみに、拉致問題はトランプ大統領にとって安倍首相の関心事として捉えているとのことだそうです。

内藤氏より、「日本にとって最悪のシナリオは、朝鮮半島が統一され、中国の圧力が韓国に及び、核も拉致問題も残り、経済支援だけ実施する状態。こうなった場合に日本の経済への影響は?」という質問が上がると、「政治的にはともかく、経済的にはプラスではないか?」と渡瀬氏が応じました。

トランプ大統領の暴走が世界経済に与える影響

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続いて内藤氏は現在、貿易戦争を仕掛けている「トランプ大統領の経済政策」に関する見解を池田氏に伺いました。
池田氏は、経済学者たちの「トランプ大統領の経済政策」に関する評価がプラスに変わってきている可能性を論じました。
最近、イギリスの経済雑誌「エコノミスト」がトランプ大統領を評価している特集を掲載したそうで、「法人税減税と規制緩和を進めた結果、株価が上がった」とか、「冷たかった財界、すなわちコーポレートアメリカがトランプを支持し始めた」という内容だったとのことです。

池田氏は、法人税の引き下げや規制緩和は経済的に合理的な政策だという見解だそうです。
アメリカは今まで先進国で一番法人税が高かったのですが、法人税を21%まで引き下げました。
これによって、投資マネーがアメリカ国内に戻ってくる上、世界からアメリカへ投資が増えるという直接的な効果が大きくなります。これは日本にも影響しており、アメリカにつられるようにして日本も29%位まで引き下げました。
それでも、ヨーロッパでもアジアでも法人税は20%以下で今や日本が一番高い状態にあります。
法人税の引き下げは、国が施策できる対策の中で比較的容易いといえるでしょう。日本は、消費税増税による財政効果を得ようとしていますが、それよりも法人税を下げるほうが大きいそうです。既に法人税減税による経済効果はアメリカで実証されているため、日本でも法人税がもう1段下がる可能性もあり得ます。
「グローバリゼーションの世界では、法人税が低い国へ、低い国へと投資が集まるに決まっている。例えば既に10%代のヨーロッパ内でも、5%などのさらに低い国へ投資が集まりGDPが世界のランキングベスト5入りしている」と池田氏は続けました。
内藤氏も「法人税下げるとお金が集まってくる。日本は今のままだと会社が海外に出て行って法人税収が減っていくような事態が起こるかもしれない。」と池田氏の見解に同意しました。
ただし、今まで共和党が主張してきた法人税減税政策は、法人税減税と連邦消費税の創設がセットでしたが、トランプ大統領は連邦消費税の導入はしませんでした。今後、連邦政府の赤字により金利が上がりインフレになる不安は残るとのことです。

もうひとつの効果があったトランプ氏の施策は「規制緩和」です。
これもわかりやすい施策ですが、日本では規制緩和が進みません。既得権益につぶされてしまっています。推進するにはトランプ大統領みたいに空気を読まないタイプでないと進めていけないとのことです。

池田氏がトランプ大統領の良くない施策として関税政策をあげると、「関税は中間選挙対策である」と渡瀬氏が応じました。
「国内の産業を守って、利益を出すということ?」と内藤氏が言葉を添えると、渡瀬氏は次のように説明しました。
「今回、上院が3分の1くらい改選する。関税政策により製造業出身の議席が守られる。共和党員内で、中国に対して安全保障上の悪い感情が芽生えてきている。そこで本来、自由貿易を支持している共和党が、関税の話に知財やサイバーの話やハイテクの話を便乗させている。」
そこで内藤氏が「中間選挙が終わったら関税政策は引いていくのか?」と問うと、
「トランプ大統領が言っていることはその場限りだが、共和党の言い分は筋金入り。どちらが言っているかにより、残る話が異なる。」と応じました。
そして最後に池田氏が「保護主義は良くない」とまとめました。

ナゼ、先進国ではインフレが顕在化しないのか?

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このテーマについては、池田氏がわかりやすく説明しました。

一番わかりやすい理由は、グローバリゼーションであること。
日本で1000円でも中国は500円、ミャンマーは100円となれば、ミャンマーで作ったものを輸入してくるので、モノの値段としては上がりません。
これが国民の生活は悪くならないが、価格が上がらない原因だそうです。

交易条件(=国際競争力)が高いほど、国際競争力がある。
基本的に、原油価格が上がると輸入物価が上がり、交易条件(=国際競争力)が落ちます。
一度、2006年くらいにドル高になり交易条件が回復しました。この時は、日銀の量的緩和によって「円安」になったからです。以降も「円安」は変わっていないのに交易条件が下がってきている理由は、産業の空洞化が進んでいるためだそうです。

ただし、企業にとって、グローバリゼーションは悪いことではありません。中国やミャンマーで作り、日本に輸入すればよいだけのことだからです。
しかし、日本国内で生活する国民にとっては、日本の雇用が減るため賃金が上がりにくくなります。製造業が出て行き、生産性の高くない産業が残るため、賃金が上がらないのです。
国内では賃金が上がらないので、インフレが顕在化しません。これは先進国共通の悩みです。
従って、インフレも起こりにくく、世界全体として全体的に下がっているとのことでした。

「インフレ2%上昇までマイナス金利とイールドカーブコントロールを続けるという日銀の政策は?」と内藤氏が問うと、池田氏は「ほとんど効果ない。今のインフレでない状況は日本だけではなく、世界的なもの。日本より早くグローバリゼーションの進んでいるヨーロッパにおいても、解消されていない。(日銀のマイナス金利イールドカーブコントロールは)ずっと続く。とはいえ、国債マーケットでは、日銀の買える国債がなくなっていくので、減らしていかざるを得ない。
ただし、個人投資家の立場からすると日銀はメジャープレーヤーではない。この5年で示したことは、金融政策において日銀がなにをしてもマーケットに影響がないということを実証してしまった。」とのことでした。

内藤氏が「最後はどうなる?」と伺うと、「アメリカで金利が上がりだしたので、それにつられて日本も金利が上がっていくかも知れない。長期金利が上がって短期金利が相変わらず、低いままというイールドカーブが立つような形になる可能性がある。」という池田氏の言葉を最後に、本セッションは幕を閉じました。


本セッションでは、北朝鮮問題や経済・インフレついて今後のシナリオをお話しいただきました。もちろん、実際どうなるかはわかりません。
池田氏は「金融政策において日銀がなにをしてもマーケットに影響がない」とお話しされていましたが、中央銀行バブルが低金利を支えていると考えている個人投資家はいらっしゃると思います。グローバリゼーションの結果、「良いインフレ」が起きずスタグフレーションによって物価が上がると、ハードランディングの可能性も否めません。
個人投資家にとしては、どのようなシナリオになってもご自身を守れるよう、今一度、財務や投資状況を見直してみると良いと思います。(レポーター:ひだまり)

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第9回 世界の資産運用フェア

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