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株投資には日経新聞より業界新聞?株式投資の情報収集方法

「社会人になったら日経新聞を読みましょう!」「投資家はみんな日経新聞を読んでいます!」

確かに日本経済新聞と聞くと、ビジネスマン向けの新聞で投資家は必ず読んでいる印象があります。ですが日経新聞を読むと必ず株で儲かるわけではありません。

日経新聞を読むことのメリットは儲かりそうなヒントを教えてくれることではなく、世界経済の流れを読むことにあると思います。そして儲けのためのヒントは日経新聞より業界新聞に隠されているのです。今回は実例を交え、業界新聞の良さを紹介したいと思います。

1.日経新聞には何が載っているか

朝刊を見て見ましょう。曜日や時期によって異なりますが、1面から順に以下の通りの流れになっています。(重要性の高くない部分については省略しています)

・1面 ⇒主要ニュース
・総合 ⇒主要ニュース・大企業関連
・政治 ⇒法案・外交など
・★経済 ⇒景気、統計など
・金融経済 ⇒銀行・証券会社関連
・国際 ⇒経済・政治
・企業 ⇒世界の主要企業の出来事
・マーケット ⇒株価値動きの解説、各商品価格の変動
・証券 ⇒前日の上場株値動き

まず1面です。1面には前日の主要なニュースが載っています。主要企業の破綻など経済関連がメインですが、災害やテロが起きたときには経済以外のニュースも書かれています。

ただし、すぐにお金にまつわる話をしたくなるのが日経新聞の特徴です。大規模な氾濫がおきたときには被害総額と経済への影響を分析していました。次の総合も1面同様に主要ニュースを扱いますが、こちらは大企業関連が見られます。政治面は主要法案や政治家の不正関連です。

投資家にとって一番重要だと思うので星を付けましたが、政治面の次にあるのが経済面です。こちらではGDPや雇用統計を持ち出し、景気の流れを予測した記事が書かれています。

全体的に景気が良いのか悪いのかを判断する題材になります。金融経済の面では金利の変化や金融業界の現状を伝える記事が多いため、金融機関に勤めている人向けの記事と言えます。最近ではフィンテック関連の記事が多く見られます。次の国際面は経済に限らず政治的なことが書かれています。

外国で起きているデモ・政争に関する記事があるため、外国株投資をしている方は必ず目を通した方が良いでしょう。

企業面は世界の主要企業について書かれています。例えばある自動車メーカーが新車を発売し、それが新興国で予想外に売れているといった記事やインドネシアの製鉄所がストライキで止まってしまった等の記事です。次のマーケット面は最近の株式指数や原油価格の値動きを解説した記事が多いため、短期間の景気を読むのに適しています。

最後の証券面は個別株の前日の値動きがずらっと並べられています。昔は重要でしたが今はスマホアプリやPCでチャートを見るため、余り必要ないかもしれません。

以上が日経新聞の各主要面の特徴になります。産経、毎日、読売、朝日との違いはやはり経済関連がほとんどであるという点です。1面で言うと例えば産経新聞は日韓関係などの外交や保守的な政治オピニオンが多く、朝日新聞は政治家の不正を伝える部分が多く書かれています。殺人事件なども新聞では1面で伝えられることが多いですが、日経新聞では余程の事でない限り紹介されません。

2.日経新聞の使い方

株式投資をする上で参考になるのは『経済面・国際面・マーケット面』であると考えています。その理由をまずは消去法で示します。

1面と総合面は主要ニュースが載っており、ソフトバンクの現状やトヨタの新しい方針などがあげられます。しかし、ソフトバンクやトヨタの株を持っていなければ余り参考になりません。また、仮にA社の新製品が世界中で売れているという記事が1面で紹介されたとしても、日経新聞は日本中の投資家が読んでいます。

その日の朝にA社の株に買い注文が入り、市場が始まったころには既に高値になってしまうのです。目を通し、世界経済を揺るがすような事件が起きていないことを確認する程度に読みましょう。

政治面に関していえば、政治家の不正は株価に影響しません。選挙の時くらいに読むと良いでしょう。金融経済面はGAFAなどの大手IT企業によって大手銀行や証券会社の将来性が不安と言われている現在、参考にはならないでしょう。

金利やチャートに目を通し、世界経済の流れを読むくらいにしましょう。企業面はほぼ参考にならないと言えます。A社が新製品を開発した、B社が工場を刷新した…という個別のニュースばかりです。前述でも示しましたが、新聞に載った時点で株価は既に高くなってしまうため、儲けのヒントを探すには適していません。

以上、消去法で『経済面・国際面・マーケット面』以外は余り参考にならない理由を示しました。では何故この3面が役立つのかを示します。投資初心者は儲かる株を探すことが重要と考える人がいます。確かにそうですが、全体の景気の流れも考慮しなければなりません。

例えば2008年のリーマンショックの時、短期的に株価が上昇した株はあるのでしょうか?答えは『ありません』、ショック時はほぼ全ての株が下落してしまうのです。それまで含み益を抱えていた人も、ショックが発生すると利益が減るのを防ぎたいがために売ってしまいます。

そしてコロナショックの時も同様に上昇した株はマスク関連や新型コロナウイルスに効く治療法を持つと言われた製薬会社のみで、ほぼ全ての株が下落しています。このように経済全体が弱まっているときに上昇する個別株を見つける事は至難の業と言えます。

ショック以外の局面を見てみると2019年は米中貿易紛争による関税の引き上げ競争が起き、景気全体が弱まっていました。この時の私の成績を振り返ると、日本株を含めアジアを中心とした自動車部品メーカーの株や中国のIT関連株に投資していましたが、全体的に保有株の株価が下落していました。

しかし日経新聞の『経済面・国際面・マーケット面』を通じて世界経済の弱さを読み取ることができたため株式市場に資金を投入しておらず、大きな損失を被る事はありませんでした。以上のように、日経新聞は儲かる株を探し当てるためではなく、全体の流れを読み、『損しないためのツール』として使うに留めた方が良いでしょう。

ちなみに余談ですが、日経新聞からの情報だけで株式投資をしたければ株式指数に連動するETFを買うと良いでしょう。初心者の方に説明すると、ETFとは個別株と同様に市場で売買できる上場投資信託のことです。市場連動型であれば景気全体に左右されるため、日経新聞を通じて景気が良くなりそうだと思えば、日経平均株価連動型のETFの購入が良いでしょう。

3.伸びそうな個別銘柄の探し方〜

今後、伸びて行きそうな個別銘柄を探すにはどうしたら良いのでしょうか?2019年の『神戸物産(3038)』の値動きが参考になります。

2019年はタピオカブームが起きていました。街中の有名タピオカ店では2~3ブロックにも行列が続き、女性たちの間で『インスタ映え』すると、人気だったのです。そしてこのブームで株価を上げたのが家でも楽しめる冷凍タピオカを販売した神戸物産です。

2019年1月の段階で1800円だった株価は2020年1月には4000円台に突入していました。もしあなたが街中を歩いているときにタピオカブームに気付き、神戸物産の存在に気が付いていたら大儲けしていたでしょう。しかし『タピオカを販売する神戸物産』という記事を出してくれる新聞は2019年の後半まで無かったので、自分自身で探し出す必要があったのです。

つまり、今後伸びそうな個別株を見つけるには、ブームや流行を見つけ出し、そのブームを支える企業や支えとなる技術を持つ企業に投資する必要があります。そして個別株を探すためのヒントは日経新聞より業界新聞に隠されています。

4.業界新聞からヒントを得る方法

業界新聞から個別株のヒントを得るための方法として『日刊工業新聞』を使い、紹介したいと思います。日刊工業新聞は日本の製造業に特化した新聞で、1面は日経新聞より鋭い記事を載せていたりと、私が日経新聞より愛読している新聞です。そして記事の並びは個別株を見つける上で重要となる『業種別』に並べられています。(一部省略)

・1面 ⇒重要なニュース
・総合 ⇒大企業関連、政治関連、重要な指数
・国際 ⇒海外の大企業関連
・自動車 ⇒自動車メーカー、部品関連
・機械 ⇒製造機械、工作機械
・電子部品 ⇒電子部品関連
・情報・通信 ⇒IT・IoT関連、5G普及など
・素材 ⇒化学メーカーの動き
・医療 ⇒新薬、治療法関連
・金融・市況 ⇒金利、商品価格の動き

1面と総合面、国際面は日経新聞と同じような組み合わせとなっていますが、日刊工業新聞はこのように分野別となっているため、日経新聞より細かな範囲、つまりミクロ経済の部分で景気を判断できます。

例えばNYダウや日経平均株価が上昇しており、世界経済が良い流れとなっていても、新聞の自動車面でインドの新車販売台数が大幅に減っているという事が分かれば、中長期的にインドに投資してはいけないという事が分かります。

少し難しいですが、市況面で原油価格が下落していても、素材面で石油化学製品の価格も同時に下落していれば、化学メーカーは経費と共に売上も下がっている予想できるため、化学メーカーへの投資は控えた方が良いという事になります。日経新聞では石油化学製品の値動きを分かりやすく解説する記事は少ないため、こちらの方が参考になるでしょう。

では私が2019年に日刊工業新聞から得た情報を通じて利益を出した実例を紹介します。2018年から世の中では5G通信やIoTの普及が進むと言われていました。IoTの普及によってPCだけでなく工場の製造設備がインターネットに接続され、サーバーで稼働状況が把握できるようになり、工場の合理化を進めることができます。

それは人件費削減に繋がるため、余裕のある製造業はIoTを導入していました。しかしネットで検索して出てくるIoT関連株は、ファナックや日本電産など、2017年の段階で既に上昇しており、2019年にIoT関連株を買うのはもう遅かったのです。

しかし、日刊工業新聞の電子部品面ではIoTで普及する『サーミスタ』という部品が紹介されていました。サーミスタは電子部品の温度を測定する部品です。化学的な分野なので難しい内容ですが、電子部品の温度が上昇してしまうと情報の伝達を担う電子の動きが遅くなり、性能が低下してしまいます。そのためサーミスタで部品の温度を管理しなければならないのです。

この記事を通じて私はサーミスタを扱う『大泉製作所(6618)』の株を購入しました。2018年のピークからは大幅に下落していましたが着実な普及を予想し、2019年5月に550円台で購入、年末に800円程度で売却しました。40%超の利益です。

上述の通り、業界新聞はより細かな部分の記事を載せているため、個別株を探し出すには良いツールと言えるでしょう。

5.業界新聞一覧

日刊工業新聞以外にも個別株のヒントとなりそうな新聞を載せます。

・化学工業日報

こちらは化学・素材分野に特化した新聞です。今後の5G通信の普及でどのような化学素材が普及するのか、鉄に代わる自動車用素材として何があるのか、先端技術を支える素材に投資をしたい方は参考になるでしょう。化学だけでなく医薬品関連も載っています。

・建設工業新聞

建設分野に特化した新聞ですが、各都市の開発状況や大規模再開発の様子を紹介しています。オフィス・住宅・ホテルなど、どの分野の開発が進んでいるかを把握することで不動産REITの銘柄選択に役立つかもしれません。

・日刊産業新聞

産業新聞という名ですが、鉄や非鉄といった金属関連のニュースがメインです。中国の台頭で日本の鉄鋼業界が不況と言われていますが、素材各社の動向を読むことで将来性のある非鉄関連企業を見つける事ができるかもしれません。

さいごに

業界新聞は個別銘柄の選択に役立つと書きましたが、日経新聞を否定しているわけではありません。景気の流れを読むためにも日経新聞は重要です。日経新聞でマクロ経済を読み、業界新聞でミクロ経済を把握することで、株式投資に強くなりましょう。

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