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株式投資より儲かるって本当?現代アート投資入門

アート投資をご存知でしょうか。絵画や彫刻、版画などの美術作品を、見て楽しむだけでなく、購入して高く売却する投資方法です。数億円単位の金額が動く大富豪のための投資法と思われる方も多いかもしれません。しかし、高額な作品がある一方で、数万円程度で手軽に買える作品もあるため、幅広い層の方が参入可能です。

世界のアート・マーケットの市場規模は8兆円を超えると言われています。近年は欧米だけでなくアジアでも盛り上がりを見せており、市場規模は拡大しています。その中で日本のアート・マーケットはまだ規模が小さく、日本人アーティストも評価の伸び代があって割安な作品が多いため、狙い目と言えるでしょう。数万円で購入した作品が、10年で数十倍になるといった話も夢ではありません。

多くの投資成功者が資産ポートフォリオに含んでいるアート投資について、説明します。

1.現代アート投資とは

美術作品の分野は古今東西に幅広いですが、投資として効率の良い分野は現代アートです。特に第二次世界大戦以降のアートは評価が定まっていないため値動きが良く、大きなリターンを生み出す可能性を秘めています。アート投資はどのような流れで利益を得ることができるのでしょうか。

1.1現代アート投資の基本的な流れ

• アーティストと契約しているギャラリー(画廊)で気に入った作品を購入します。この一次市場をプライマリーマーケットと言います。

• 保有している間にアーティストの評価が高まります。美術館や美術展、芸術祭などに作品が出品され、専門家から高い評価を得ることで、作家の名声が高まり、人気が出ます。国際的な評価を得ることで人気が確立したと言えます。

• 作品を二次市場(セカンダリーマーケット)であるオークションに出品します。作品の数は限りがあるため、人気作品は需要が供給を大きく上回ります。どうしても作品を購入したいと熱望するコレクターたちが購入価格を釣り上げます。オークションで自由に価格付けされるシステムが整っているため、アートは価値が変動しやすいのです。

• オークションで高く取り引きされるようになれば、ギャラリーでの販売価格も上がります。作品を売却した資金でまた別のアート作品を購入します。

シンプルな流れですが、簡単ではないと感じる方も多いのではないでしょうか。全てのアーティストに人気が出るわけではないため、買った作品が必ず値上がりするとは限りません。

ただし、唯一無二の希少性がある実際の商品を扱う投資であるため、一度値上がりした作品は価値が暴落するリスクが比較的低いと言われています。

また、人気が醸造されるためには10年単位の年月を要するため、アート投資は長期保有が基本です。オークションの売買手数料は1.2割と高めである点からも、短期の売買には不向きであることが分かります。

1.2アート投資とアート鑑賞の違い

アート・マーケットの規模が小さい日本ですが、人気の美術展には長蛇の列ができ、アートの町おこし成功例も各地で見られる、アートに関心の高い国です。しかし、美術館訪問が趣味で美的センスのある人がアート投資で成功しやすいとは言い切れません。それは、アート鑑賞とアート投資は視点が異なる場合があるためです。

美術館に収蔵されている作品は文化的な価値が既に認められているものです。また、美的感性を磨く意味で鑑賞を楽しむ方も多くいて、どの作品を好んでも間違いはありません。それに対して現代アート投資で買うべきは、今後の文化を形作ると予想される作品です。感性重視ではなく換金が可能な資産として価値を論理的に評価する目線が必要なのです。

作品を鑑賞し、画集を買うだけでは受動的な趣味に留まります。けれども、投資をしてアーティストを支援することで、価値のある作品を後世に伝え、美術の歴史に能動的に参加することができます。

2.どこで買えるのか

投資を始めるには作品を購入する必要があります。現代アート作品を購入する場所にはどんな選択肢があるのでしょうか。4通りの購入方法を紹介します。

2.1ギャラリー・画廊

アート作品を販売する店舗です。日本では、出品者が利用料を払って展示している貸し画廊と、画廊が契約しているアーティストの作品を展示する企画画廊があります。企画画廊は作品の展示だけでなく、個展の企画、販売、広報など幅広いマネジメントをしています。

ギャラリーの経営手法は作品の価値が上昇するかどうかに関わってくるため、しっかり検討することがおすすめです。ギャラリーがどのアートフェアに出展しているかを調べることで、ギャラリーのクオリティーを推し量ることができます。

世界最大のギャラリーはガゴシアン・ギャラリー(Gagosian Gallery)で、世界に16店舗あります。
国際的な大手ギャラリーには信用があるため、取り扱うアーティストは価格が下がらないと言われています。

2.2.アートフェア

世界中のギャラリーが期間限定で集結するアートの見本市です。世界の代表的なアートフェアはアート・バーゼル(Art Basel)アーモリー・ショー(Armory Show)フリーズ・アートフェア(Frieze Art Fair)があり、これらは数百億円のアートが売買されるセレブな市場です。出展できるギャラリーの審査基準が厳しく、クオリティーが高いため、このようなアートショーで取り引きされる作品は資産として保有できる安心感があります。

ショーの期間中はガイドツアーも行われており、世界のアートマーケットを知るのにぴったりの場所です。日本のアートフェアは市場規模が小さく、質があまり担保されていないため、できれば国際的なアートフェアを訪れると良いでしょう。

2.3.オークション

出品されたアート作品を参加者がオークション形式で落札購入します。敷居が高いように思われますが、基本的には誰でも参加可能です。出品される作品は専門家の評価基準を満たしたものであるため、オークションで購入した作品は売却時に出品を断られるリスクが低いです。

世界2大トップのオークション会社はサザビーズ(Sotheby’s)とクリスティーズ(Christie’s)で、出品作品は質が高く、落札価格も全体的に高額です。

2.4.アーティスト

アーティストと直接コンタクトを取って作品を購入することも可能です。ギャラリーに払う買い付け手数料がないため、アーティスト支援の性質が強くなります。ただし、ギャラリーが発行する証明書がオークション出品の際に有利である点や、ギャラリーのプロモーション力がアーティストを成長させる点を考慮すると、ギャラリーで作品を購入する方がコレクターのメリットは大きいと言われています。

1つのギャラリーのみを利用したり、1人のアーティスト作品のみを買い続けたりすることは高リスク低リターンとなるため注意してください。幅広いアーティストに分散投資することで、リスクが低減します。

3.購入の際のポイント

基本的に気に入った作品を購入して良いのですが、個人の趣味で適当に作品を購入しても、投資としての効率は低いでしょう。どのような作品を探せば良いのか、チェックすべきポイントを説明します。

3.1.作品

現代アートは、技術の素晴らしさやデザインセンスの良さが全てではありません。それ以上に、コンセプトの秀逸さや表現方法の斬新さが評価されます。今の時代を反映し、美術の歴史に爪痕を残す発明品を、投資家たちは探し続けているのです。

見た時に衝撃を受ける作品は無数のアート作品の中で存在感を持ち、人の目に止まって人気が出ます。これらを見極める目を持つのは簡単なことではないため、自分で学び続けると同時に、専門家の意見を聞くのが望ましいでしょう。

気に入ったアーティストのどの作品を買おうか迷う場合は、代表作を買うのが王道です。個展を開く際にメインで取り上げられる作品がそれに当たるでしょう。代表作は、セカンダリーマーケットに出品した際、他の作品より高い値段がつく可能性が高いです。他のコレクターもアーティストの代表作を買いたいと考えているため、目をつけているアーティストについては事前に十分リサーチしておき、代表作を目の前にしたら最終判断だけして素早く購入することがおすすめです。

3.2.アーティスト

現代アート投資において最も念入りに検討すべきは、どのアーティストに投資するかです。

アート・マーケットが探している人材は、好きなものを淡々と作り続ける職人というより、社会に斬新な問題提起をする哲学者である点に注意してください。話を聞いて、面白い考え方をすると感じるアーティストは市場価値の高い作品を生み出すと期待できます。

現代アート投資の大きな魅力の一つは、作品の制作者が生きており、会うことができる点です。アーティスト自身に尊敬できる部分を見出せれば、納得して作品にお金を出すことができるのではないでしょうか。

また、アーティスト自身が自分の作品価値を高めたいという強い情熱や戦略があるのかも重要な点です。成功に貪欲で根性がなくては、困難に直面した時にプロとして制作を続けられない場合が多いです。人気が出る前にアーティストが制作を諦めてしまう場合、購入した作品には市場価値がなくなり、単なるインテリアになるリスクがあります。

4.保有の際の注意点

アート作品を購入したら、基本的には売却するまで自分で保有し続けます。その際に注意すべき点を紹介するので、参考にしてください。

4.1.保存状態

作品によっては、劣化しやすいものがあります。屋外や湿度の高い部屋に置いたり、直射日光が当たると劣化が促進されてしまいます。使用されている材料を確認し、防腐剤などを使用して保管しましょう。

4.2.修復

破損や劣化した場合は、自分で何とかしようとせずに専門家に相談します。修復のクオリティが売却価格に関わる場合もあるため、きちんとした業者を選ぶことも重要です。

4.3.紛失

資産価値の高いアート作品を人目に晒しておくのは盗難リスクが高いと考える方も多いです。盗難や火災などのリスクに備えるため、高価な作品には保険をかけることが一般的です。

5.どこで売れるのか

買うより売る方が難しいというのが投資全般の常です。アート作品はどこでどのように売却することができるでしょうか。

5.1.アートオークション

保有する作品アーティストがオークションで扱われるようになると、作品は再販価値のある資産になったと言えることができます。評価の高くないアーティストは出品を断られる場合も多いです。会社によって査定者は異なるため、別のオークション会社で出品できる可能性もあります。

出品手順は、オークション会社に査定を依頼し、予想落札価格や最低落札価格などの条件を相談して、高額落札を願うだけです。オークションによっては買取など他の売却方法の提案も受けられます。

5.2画廊

画廊によっては、顧客に代わって売却サービスを行なっている場合があります。オークション出品の他、画廊の顧客への販売、業者同士の市場といった選択肢があるため、相談してみるのも良いでしょう。

6.情報収集の仕方

アート投資の際は、アートだけではなく、世の中の全ての情報が投資判断の役に立ちます。そのため、幅広いニュースにアンテナを張ることが推奨されます。ここではアートについての情報を得る手段をいくつか紹介します。

6.1.ギャラリー・画廊

画廊はアーティストに会って話ができる点が、非常に参考になります。どんなことを考えて作品を作ったのか、制作者の意図や人柄を知る大切な機会です。

アーティストは企画展のオープニングの際にいる場合が多いでしょう。また、ギャラリストに作品の魅力を聞いてみるのも有効です。作品を評価する側の専門家の意見を聞くことで、制作者本人を知るだけでは気付けない、多角的な視点を得ることができます。

6.2.雑誌

おすすめは美術手帖です。現代アートを中心に扱う雑誌で、多くの若手アーティストを掘り下げて紹介しています。専門家を含めた多くの人に購読されているため、この雑誌に掲載されることで人気がさらに上がりやすくなると予想されます。

6.3.ネット

オークション会社が公開している作品情報と落札情報はこまめにチェックしておくべきでしょう。セカンダリーマーケットの相場が分かります。

気になるアーティストについてまずはネットで調べることになります。発信力があるかどうかも投資対象としては評価のポイントと言えます。

世界中のギャラリーで販売される作品を閲覧できるArtnetや、アートフェアに出展するギャラリーの作品を紹介するアーツィーも、世界で流通する作品を網羅的に見ることができるので有効です。

6.4.美術館

美術館に並ぶのは、専門家の評価を受け、殿堂入りした作品と考えられます。これまでのアートの歴史を学ぶことで、今市場で出回っている作品を正しく理解し、見極めることにつながります。

6.5.美術学校

既に現代アート投資を始めており、新たな切り口を探している方は、アーティスト志望者が集う美術学校で青田買いするのも面白いのではないでしょうか。卒業制作などは一般の人も見ることができます。光るものを感じる人がいれば、将来を楽しみに動向を見守ってみてください。

また、アートの勉強をしていながらアートマーケットのしがらみに染まっていない学生らの意見を参考にすることで、新たな気付きがある場合も期待できます。

まとめ

投資に値するオリジナリティある作品を購入することは簡単ではありません。けれども作品やアーティストとの出会いを楽しみ、10年先を見越して気に入った作品を手元に置くことができる喜びは、他の投資商品とは違った魅力があるでしょう。投資全体に言えることですが、現代アート投資に正解はありません。多くの作品に触れる中で、自分なりの投資戦略を固め、楽しみながら行ってください。、

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