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不動産が共有名義になる理由と共有不動産で起こるトラブルについて

共有不動産は相続時に様々なトラブルを引き起こします。そもそも、不動産を共有名義にしないことがトラブルを避けるためには最も良い方法なのですが、そう簡単にいかないのが「相続」の難しいところ。

今日は不動産が共有名義になってしまう理由と、共有名義不動産で起こり得るトラブルについて紹介していきます。また、このような相続トラブルを起こさなたいための対策方法についてもご紹介していきますのでぜひ参考にしてください。

1.不動産が共有名義になってしまう理由は?

まずは相続時のトラブルの大きな原因となる不動産が共有名義になってしまう理由について解説していきます。今回はわかりやすくするために簡単な事例を使って紹介していきます。

1.1.不動産を所有している場合の相続事例

相続事例

・家族構成:母(被相続人)、長男、長女、次男

・相続財産:地方にある50坪の住宅と100坪の土地

・その他:長男が母親と同居していた

 

このような事例を想定して共有不動産について解説していきます。

1.2.ケース①:感情的な争いが起こり遺産分割協議がまとまらない

まず前提としてこのようなケースでは共有不動産になってしまうケースがかなり多いです。共有不動産になってしまう多くの理由は「問題の先送り」です。本来は相続財産である土地を売却した現金を持分に応じて遺産分割協議で決めるというのが一番簡単な方法です。

ただ、このようなケースでは遺産分割協議時に「母親の面倒を見ていたのは私だ!」「母親が事故にあったとき、お金を出したのは自分だ!」など、数十年にわたるお金のやり取りが顕在化します。今まで溜め込んでいた思いが、遺産分割協議時に一気に溢れ出てくるのです。こうなってしまうと、もし相続財産である土地を売却して現金化に成功したとしても、その取分で争うことになってしまうのです。

取分に関する争いも遺産分割協議時で決着をつけることが出来れば良いのですが、多くの場合「感情の問題」になるため決着が付きません。こうなってしまうといつまで経っても遺産分割協議がまとまらないという事態になりがちです。

相続財産に土地などの不動産がある場合、さきほども説明した通り売却して現金化するのがスッキリする方法なのですが、取分に関する争いは感情の問題のためいつまで経ってもまとまらず、不動産に関してはとりあえず平等な持分で落ち着かせます。今回の事例の場合だと長男三分の一、長女三分の一、次男三分の一としておくことで、その場の遺産分割協議を一時的にまとめることが出来るのです。

こうして共有名義の不動産が出来上がるのです。

1.3.ケース②:相続財産である不動産が売却出来ないケース

共有名義の不動産になる理由がもう一つあります。それは「不動産の売却が出来ない」ケースです。今回の事例では相続財産が「地方」にある土地でした。地方の場合、不動産を売却しようとしても買い手が付かず相続期限内に売却出来ないため共有不動産となるケースです。

相続財産である土地が山林や農地を除いた一般的な住宅地であれば基本的には売却可能なはずです。ただ「買い手が付く金額」で値付けをする必要があります。問題はこの「売却金額」にあります。相続財産である土地を売却しようとする際、相続人全員が納得出来る金額で売却出来るのが良いのですが多くの場合、そうはなりません。

売却金額について相続人がそれぞれ思惑があり、相続人全員が納得出来る売却金額が定まらないケースが多いです。つまり「売却金額の合意が出来ない」ケースです。

このように不動産が売却出来ないケースは2つあります。10ヶ月という相続期限に買い手が付かないケースと、相続期限内に売却金額の合意が出来ないというケースです。

期限内に不動産の売却が出来ずに、共有名義となってしまうのです。

2.共有名義の不動産で起こり得る相続トラブルとは?

ここまでご紹介した通り、相続財産である不動産が共有名義になってしまうのは「感情的な争いによる問題の先送り」「不動産が売却出来ない」という2つのケースが多いです。

共有不動産になるケースはご理解頂けましたでしょうか?ではなぜ、共有名義の不動産はトラブルの原因となるのか?という点について見ていきましょう。

2.1.相続人の一人が勝手に売却してしまうケース

共有名義の不動産は相続人の1人でも売却することが可能です。他の相続人に対して許可を得ることなく勝手に売却することが出来てしまいます。

共有名義の不動産の場合でも、相続した持分については法律的に独立した所有権なので自身の持分、今回のケースだと三分の一の持分だけを他の相続人に許可を得ずに第三者と売買契約を結び売却することが出来ます。

このように相続人のうちの一人が持分を売却すると何が起こるのでしょうか?

「不動産の乗っ取り」が可能となってしまうのです。悪意ある不動産業者が持分の一部を保有してしまうと、共有名義の不動産が第三者に乗っ取られてしまう可能性があるのです。

2.2.不動産が乗っ取られるワケ

共有部分の一部だけの売却でも不動産は乗っ取らる可能性があります。今回の事例を用いてその方法について紹介していきます。

事例では相続人である長男は生前、被相続人である母と同居していました。長男は母と同居していた住宅に引き続き住んでいます。遺産分割協議が不調に終わり、相続財産である土地建物は共有名義となります。そんな中、持分三分の一の次男が、とある不動産業者から「持分を買い取りたい」という相談を持ちかけられます。次男としては自分が住んでいない建物と土地、さらに遺産分割協議時に揉めた長男が使っている建物、土地なので共有名義といえど自身としては使いみちがありません。そんな使えない持分を買い取りたいという申し出は悪い話ではありませんでした。

金額は安いものの、少しでもお金になるであればと売却を決意します。

不動産業者の話では、他の兄弟に売却の許可を得る必要もなく、よくある話なのでなんの問題もないとのことだったので売却してしまいました。こうなると悪徳不動産業者が次のような手段で乗っ取りを仕掛けてきます。

2.3.第三者が不動産を乗っ取る方法

次男から持分を買い取った不動産業者は、持分の一部を正式に保有することが出来たとしてもその建物や土地を使うことは出来ません。ただ、ここに法律の問題が生じてきます。

次男から三分の一の持分を買い取った不動産業者は残りの三分の二を保有している長男と長女に対して「共有物分割請求」という訴訟を起こすことが出来るのです。「共有物分割請求」とは持分の三分の一という法的権利だけではその土地と建物を全く利用出来ない状況なので、土地と建物を物理的に割りましょう!という訴訟です。

事例では100坪という大きめの土地に50坪の建物ですが、土地は三分の一ずつ文筆して、建物も分離させる。これは法律的には三分の一ずつ分割することは出来ますが、実際問題現実的ではありません。共有物分割請求をされた側である長男と長女が合理的な判断が出来る人達であれば、土地と建物を三分の一に分割されるくらいであれば不動産業者と一緒に土地と建物を売却してお金で三分割したほうが良いという判断になります。

なぜなら、建物を三分割するというのは現実的ではないため、建物を解体して土地を分割するというになるのですが、その建物を解体する費用も持分に応じて、つまり長男も長女も解体費用を三分の一ずつ負担する必要があるため売却という判断になります。

もし、ここで長男と長女がが売却するという合理的な判断をせずに物理的な三分割に応じたとしましょう。その場合、共有物分割請求を受理した裁判所はその請求を受理して審議に入ります。そうなると何が起こるのか?

裁判所は長男と長女に対して、「建物を物理的に三分割するのは不可能なので不動産業者と一緒に売却し、お金で分割しなさい」という和解を勧めてきます。この裁判所側から提示された和解という案に対して長男と長女は応じず、抵抗したとしましょう。

すると約1年後に裁判所は判決で「強制競売」に掛けます。そのため、長男と長女がどれだけ抵抗したとしても物理的な三分割という結果になることは100%ありません。裁判所の和解の強権で一括競売を掛けるという法律になっています。

こうして、不動産業者は次男から安く買い取った持分を通常の競売価格での売却に成功して利益を得ることが出来ます。次男としても部分的な持分のため通常の価格よりも安く売却しなくてはなりませんし、長男も住む家を奪われてしまい得をするのが不動産業者だけという結果を招きます。

2.4.悪徳不動産業者に有利な法律なのか?

ここまでの説明では裁判所の強権で一括競売をすることになる法律は、共有持分を狙う悪徳業者の味方になる法律のように感じられます。確かにここでご紹介した事例だけを見ていくと、悪徳業者だけが得する法律に見えるかもしれません。ただ、視点を変えて考えてみましょう。

事例のような共有名義となったしまった不動産に対して未来永劫争い続けてたとします。そうすると、売却することも出来ず、建物はどんどん古くなり数十年後には廃虚となってしまうでしょう。そのような建物はもちろんのこと、土地も有効活用出来ないため望ましいことではありません。そのような状態にならないように、土地を流動化させるために法律の制度として存在しています。

土地が存在する自治体としては個人の権利をギリギリまでは守ってくれます。ですが、相続というタイミングではその権利を世襲的に後世に引き継がない。強権的に法制度で精算させるという日本の立法制度になっています。

3.共有名義のトラブルを避けるための方法は?

共有名義の不動産にはこのようなトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここでご紹介した事例は共有名義の不動産で起こり得るトラブルのほんの一部です。不動産を共有名義にすることにメリットはありません。あるとすれば、問題の先送りが出来るということだけなのです。

多くの人にとって相続は一生のうち、ほんの数回しか関わることがありません。そのため、相続に関する知識が不足しているため、不動産を共有名義にしたまま放置してしまったり、大きなトラブルに巻き込まれてしまいます。

共有名義不動産に関するトラブルを防止するため、さらに言うと相続時に起こる親族間の泥沼の争いを防ぐためには被相続人の生前から準備しておくことが最も重要です。

相続問題の多くは被相続人の問題ではなく、遺産相続する子供達の問題です。被相続人である母が亡くなったあと、子供達の間で行う話し合い、遺産分割協議のときに感情のぶつけ合いだったり、金銭の貸し借りなどのやり取りに関することが顕在化するため争いに発展してしまいます。

そうなる前に、被相続人は生前財産管理サービスのような相続時のトラブルを防ぐためのサービスを活用するのが相続をスムーズに完結させる方法と言えるでしょう。

被相続人は元気なうちに、自分自身の強権で遺産分割をさせる。つまり「遺言」を残しておくのが相続トラブルを避けるための最大の方法です。

遺言を作成する際は相続人である子供達の意見を聞き入れながら話し合いをすることも大事です。ただ、最終的には子供達には口を挟ませずに親としての権限で確定させた遺言を作っておくことが、相続時に揉めないための最大の方法です。

4.揉めない相続を実現するための遺言を作成するためには?

揉めない相続を実現するためには被相続人の権限で確定させた遺言を作ることが最も良い方法です。遺言書を作成するためには一般的には弁護士や司法書士に依頼するというイメージが強いのではないでしょうか?

確かに弁護士や司法書士に依頼することで遺言書の作成は可能です。ただ、被相続人の財産が現金のみならず多数の不動産や株式や債権などの金融資産がある場合、適切な配分にするためには被相続人の財産を正確に把握する必要があります。

このような資産が複雑化している場合、弁護士や司法書士だけでは対応出来ないケースもあります。そのような場合は生前財産管理サービスの利用を検討してみてください。

資産デザインソリューションズでは不動産や金融資産に関する豊富な知識を活用し、独立した公正な立場でスムーズな相続を実現するためのご提案を行います。

国内、国外にも多数不動産を所有しているケースや、金融資産を保有しているケースなど、相続が複雑化しそうな場合はぜひ、生前財産管理サービスの活用を検討してみてください。

 

 

 

 

 

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