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相続欠格になる5つの事由とは?どんな場合に相続欠格になるの?

故意に被相続人を死亡させたり、遺言書を破棄したりすると相続欠格なる場合があります。相続欠格事由に該当すると相続人から排除されることになってしまいます。

相続人から排除されるということは、亡くなった方の財産を受け継ぐことができないということです。故意に被相続人を死亡させたり、遺言書を外したりする以外にも、相続欠格になる事由はいくつか存在しますが、それにはどういった場合があるのでしょか?

また、相続欠格事由に該当すると、代襲相続や遺留分はどうなってしまうのかということを説明します。

1.相続欠格とは?

そもそも相続欠格とはどういったことなのでしょうか?

ある一定の事由がある場合に、相続人から除外されてしまうことを相続欠格といいます。相続欠格事由は極めて重大な事項に限られていますが、家庭裁判所での審判などは必要とされていません。

相続人から除外されてしまうということは亡くなった方、つまり被相続人の財産を相続する権利を失ってしまいます。被相続人の預金や不動産などを相続することができなくなってしまうということです。

2.相続欠格と相続排除はどう違う?

相続欠格事由に該当すると強制的に相続する権利を失います。しかし、相続廃除は強制的に相続でも失わせるのではなく、被相続人の意思で相続人の権利を失わせることができます。

そのため、被相続人が相続人に「相続させたくない」と思っている場合には、相続欠格は被相続人の意志ではできないため、相続排除を行う必要があります。

しかし、単純に「相続させたくない」という理由だけで相続排除することはできません。相続排除の対象者は、遺留分を有する指定相続人のみとなっています。遺留分が認められていない兄妹姉妹は対象者には当たりません。ですので、兄妹姉妹に相続させたくない場合は遺言書の作成が必要となります。また、相続排除できる者は主に以下のような者になります。

・被相続人に対して虐待を行った者
・被相続人に対して極度の侮辱を与えた者
・多額の借金を支払わせた者
・重大な犯罪を起こし有罪判決を受けた者

上記のような場合には、相続排除の対象者になる可能性があります。上記に当たらない場合でも、一定の事由に該当する場合であれば相続排除の対象者となる場合があります。

3.相続欠格事由に当たる5つの条件

相続欠格事由に当てはまれば相続欠格となり、相続人から除外されることとなります。その事由は民法に明記されています。民法に明記されている以外の事由では相続廃除と違い、相続欠格に当てはまることはありません。

3.1.故意に被相続人や相続人を殺害し、又は殺害しようとした者

よくドラマや映画などで、父親の財産を自分以外の者に財産を相続させたくないと思い、母親や兄弟を殺害する場面があります。また、財産を手に入れたいと思い両親を殺害する場面もよく見受けられます。

しかし、このようなことを行い刑罰に処せられると相続欠格事由に該当します。また、殺害だけでなく殺害しようとした者も相続欠格事由に該当することとなります。

3.2.被相続人の殺害されたことを知って告発・告訴をしなかった者

ドラマや映画などで親が殺害されたことを知っていて、告発や告訴を行わない場合もあります。こういった場合でも相続欠格事由に該当します。
しかし、小さな子供は告訴をすることができないので除かれます。また殺害者が配偶者や直系血族の場合も除かれることとなっています。

3.3.詐欺又は強迫によって遺言を取消し又は変更することを妨げた者

被相続人が遺言書を作成しており、その遺言書の取消しや変更を考えている場合に、詐欺や強迫によっての取消しや変更を妨げた場合も相続欠格事由に該当します。

被相続人を脅し、作成した遺言書の変更をさせなかった場合などがこれにあたります。

3.4.詐欺又は強迫によって遺言を取消し又は変更させた者

被相続人が遺言書を作成しており、詐欺や脅迫によってその遺言を取消し、もしくは変更させたものも相続欠格事由に該当します。

被相続人を脅し、「遺産の全てを息子に相続する」と書かせた場合などがこれにあたります。

3.5.遺言書を偽造・変造・破棄・又は隠匿した者

遺言書を発見した際に自分に都合の悪いことが書かれていたため、その遺言書を変更したり、破棄したり、隠したりした者は相続欠格事由に該当します。また、遺言書が作成されていなかった場合に、あたかも被相続人が遺言書を作成したように偽造した者も相続欠格事由に該当します。

4.相続欠格事由に該当するとどうなるの?

相続欠格事由に該当してしまった場合は相続人から除外されてしまうこととなります。しかし、その他の事柄に関してはどうなるのでしょうか?

4.1.相続欠格事由に該当すると遺留分も認められない

相続には遺留分というものがあります。遺留分とは一定の相続人のために、法律上取得することが保証されている財産のことです。

例えば被相続人が遺言書で「自分の全財産を愛人に相続させる」と記した場合でも、被相続人に配偶者がいた場合は、配偶者は一定の財産を得ることが保証されています。しかし、相続欠格者になると相続人から除外されてしまうため、この遺留分についても認められません。

4.2.代襲相続の場合は相続欠格事由に該当しても問題ない

相続には代襲相続というものがあります。代襲相続とは相続人がすでに亡くなっていた場合に、その子供や孫が相続する権利を受け継ぐといったものです。

もし、相続欠格者や相続排除者に子供がいた場合は、その子供が代襲相続人となることが可能です。つまり、相続欠格者や相続排除者の子供が、相続欠格者や相続排除者の代わりに相続できるということです。

4.3.相続欠格事由が相続開始後に起きた場合は手続きのやり直し

相続欠格事由が相続開始後に起きた場合は、その手続きを全てやり直さなければなりません。それまでの手続きは全て、相続開始時まで遡ることとなってしまいます。

4.4.特定の相続人との間のみ相続欠格は起こる

母親の相続の際に相続欠格者となったとしても、父親の相続の際には相続欠格者となるわけではありません。特定の相続人との間のみ行われることとなります。

例えば父親を殺害して相続欠格者となり、その財産がすべて母親に受け継がれたとします。その後、母親が亡くなった際にはその財産を受け継ぐことが可能です。ただし、親を殺したものは祖父母を代襲相続できないとされています。

5.相続欠格者がいる場合の手続き方法は?

相続欠格者がいる場合の相続の手続き方法は、どのようにすれば良いのでしょうか?相続欠格者がいる場合の手続き方法は、相続欠格者が相続欠格事由を認めている場合と認めていない場合で異なります。

5.1.欠格事由が存在する証明書が必要

相続欠格者であっても、その事項は戸籍には記載されることがありません。そのため、相続欠格の証明として、相続手続きの際に戸籍謄本を提出することはできません。証明するには、相続欠格事由が存在する証明書を作成する必要があります。

正式には、相続欠格者自身が作成した「民法第891項所定の欠格事由が存する旨を記した証明書」と「印鑑証明書」が必要となります。

5.2.相続欠格者が認めない場合は確定判決の謄本が必要

相続欠格者が、相続欠格者であることを認めなかった場合はどうしたらよいのでしょうか?その場合は「欠格事由を証する確定判決の謄本」が必要となります。「欠格事由を証する確定判決の謄本」には刑事、もしくは民事の2種類があります。
また、上記の謄本には確定証明書を添付することが必要です

6.相続欠格は撤回することができない?

一度相続欠格事由に該当してしまうと、相続欠格を撤回するということはできないのでしょうか?

実は相続欠格を撤回することはできません。では相続欠格者に財産を相続させたい場合はどうすれば良いのでしょうか?

6.1.相続排除は撤回できるが相続欠格は撤回できない

一度相続欠格者となってしまうと、相続欠格を撤回することはできません。そのため被相続人に生前に許しを得て、別の方法で財産を受け取る人しかありません。

相続排除の場合は、相続欠格と違い相続廃除の撤回をすることができます。相続廃除の撤回方法は主に以下の2種類となります。

・被相続人の生前・もしくは遺言書で相続廃除を許してもらう
・家庭裁判所に相続廃除の取消しを請求する

相続排除の場合は、被相続人に許してもらうか、家庭裁判所で手続きを行うことにより廃止を撤回することができます。
その点においても相続欠格と相続排除は大きく違います。

6.2.相続欠格を撤回してもらうには相続権の回復が必要

相続欠格者の相続権を回復させることは不可能です。 しかし、被相続人の許しを得ることができれば、財産を受け取ることはできます。
その方法としては、生前贈与や生命保険等の受取人などに相続欠格者を指定することです。それにより、財産を受け取らせることができます。
しかし、遺贈はすることができません。相続欠格者は受遺能力も失うとされているので、被相続人の作成した遺言書で遺贈を行うということは不可能になります。

まとめ

相続欠格は相続排除と違い、被相続人の意思で指定することができません。相続欠格事由に該当する場合のみ、相続欠格者として相続人から除外されることとなります。

相続欠格者となると、遺言書での遺贈や遺留分の権利もなくなります。しかし、相続欠格者の子供や孫は代襲相続をすることが可能です。

また、相続欠格者がいる場合の相続手続きにおいては、「民法第891項所定の欠格事由が存する旨を記した証明書」や「欠格事由を証する確定判決の謄本」が必要となります。
相続欠格者がいない場合の相続手続きよりも複雑となるため、一度相続の専門家に相談したほうが良いでしょう。

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