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あなたに合った「お金の増やし方」を教えます!

資産形成の王道は「幅広い資産を組み合わせて、自分に合ったアセットアロケーションで資産運用すること」です。

個別の銘柄選択やタイミングを狙った短期売買では、いつまで経っても資産は安定して増えることはありません。

「世界の資産運用フェア(通称:マネフェス)」は、金融資産と不動産をはじめとする実物資産を組み合わせるための具体的方法をワンストップで知ることができます。これは、他のイベントにはない特長です。

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マネフェス:Seesion5 (ESG投資)インデックス運用を超える投資は可能か?

■開催日時:2019年2月8日(土) 14:30〜15:00(30分)
■開催場所:大手町サンケイプラザ4Fホール
■モデレータ:内藤忍
■登壇者:オリックス銀行 森敦仁氏
■レポーター:ひだまり

「ESG投資が世界的に流行している」と聞いたことはありませんか?

流行・・・とまでいかなくても、「ESG投資」という言葉は耳にしたことがあると思います。
これまで私は、ESG投資を「社会的に良いイメージのことをしている企業への投資」という印象で捉えていました。投資パフォーマンスに直接的に影響あるとは思いもしなかったため、あまり興味がありませんでした。

ところが、前回のフェアには、「ESG投資とはなんなのか?」と興味をお持ちの方が多くいらしていました。

そこで今回のフェアでは、「インデックス投資とESG投資はどのように違うのか?組み合わせることで付加価値がうまれるのか?」について、パネルディスカッションを設けました。ありがたいですね。

本セッションでは、欧州の年金資産運用に詳しく、個人投資家へESG投資の普及啓蒙に携わっていらっしゃるオリックス銀行の森氏にESG投資の魅力から活用方法について教えて頂きました。

ESG投資とは

今回、登壇してくださった森氏は、ESG投資のグローバルリーダーと呼ばれているオランダの投資顧問会社ROBECOで、ESG投資を中心とした欧州の年金資産運用のInvestmentOfficerをなさっていたそうです。年金資産運用なので、長期安定的な資産運用に精通していらっしゃるわけですが、「ESG投資を中心」という点が気になります。

そもそもESG投資とは、投資先の企業を選ぶ指標に「ESG」を考慮したアクティブ運用のことです。

インデックス運用は、インデックスに採用されている銘柄を構成比どおりに保有するため、ESGを考慮したために外すとインデックス運用ではなくなります。通常、長期の安定した資産運用にはインデックスが推奨されているはずです。欧州の年金資産運用では、異なるのでしょうか?とても気になります。

ESG投資の「ESG」はそれぞれ、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)を指します。これらの要素で図ることのできる企業価値は以下のとおりとのこと。

Environment(環境)  →企業の取り組み
Social(社会)  →社会に対する貢献度
Governance(ガバナンス) →会社は株主のもの

「通常、企業の評価は、利益や配当、資産の中身を基本とした有価証券報告書などを元に判断され、株価へ反映されていると考えられている。しかし、長期投資をする際、企業の本当の価値は財務分析では判断できない。見えない価値は、ESGに凝縮されている。」と森氏はおっしゃいます。

確かに短期的な収益のために、適切な処置を施さず汚水を流して評価を企業価値下げ、株価も下げるケースもありますよね。

ESGへの配慮は欧州では以前から広がっていたそうですが、日本では2015年、GPIFが年金基金の運用にもESGを投資判断基準に採用することが決まり、一気に広まりました。
日本での市場規模も、何らかの形でESGを考慮した投資が半分近くに迫っており、拡大してきています。

「(ESG投資の)市場規模の拡大に伴い、マーケットのパフォーマンスに影響を与えるため、広がる前に先に投資しておくと、高パフォーマンスが期待できるかもしれませんね。」と長期の資産形成にはインデックス運用を推している内藤氏さえも応じます。あれ?ESG投資にどのような魅力があるのでしょう?

投資パフォーマンスでも注目されるESG投資

インデックス指数としてS&P/TOPIXラインキング150(赤ライン)とS&P/TOPIXうちESGスコアの高い150(青ライン)の指数を比較したグラフが以下です。青いラインのほうが赤いラインより投資パフォーマンスが良いことが分かります。

「年金が社会的な責任を果たすために、ESGを取り入れているのではないか?という考え方がまだまだ多いが、実はESGは利益に直結する時代になってきている。赤ラインと青ラインの差がだんだん広がってきている。」と森氏はおっしゃいます。ん?どうしてでしょう?

「以前に比べるとESGを考慮した会社に投資したほうが、株価の評価が高まっている。そんな中、ESGを無視した経営をしていると赤ラインになってしまう。(ESGを)考慮している会社に投資したほうが、投資効率が良い可能性があるということですね。」と内藤氏が補足してくれました。

以下は世界的にみた株価指数のパフォーマンス推移です。それぞれ、世界の時価総額上位2割の指数(青ライン)、オランダのESG調査会社が評価するESGスコアが高い20%(黄ライン)の推移です。緑ラインはこの2つの差を表しています。世界でも、徐々に差が広がってきており、ここ5年ほどで10%程度の差ができてきています。

ESGスコアは倒産を予測する

決算書からは読み取れない情報もESGスコアからわかると森氏は続けます。

「S&P500企業で2005年から2015年の間に倒産した17企業のうち15企業は倒産の5年前にEとSのスコアが非常に悪かった。ESGを考慮に入れていた投資家は、ある程度、倒産を予想できたと考えられる。」と。

ちなみに、日産のガバナンスのスコアも問題が発生する2年ほど前から悪かったとのこと。株主への意識より優先する「何か」があったのかもしれませんね。

気候変動がもたらすGDPに影響をあたえるインパクトを国別に示したものが以下です。ESGは企業だけではなく、国についてもESGランキングがあるそうです。赤色が気候変動によって、影響を受けやすい国です。欧州はESGへの意識が高いため、気候変動への準備ができているとのことです。

また、ESG評価の社会的要素として、従業員の満足度が高い企業は株価が高くなる傾向があります。
特に2015年以降、徐々に高まり、ESGスコアが高いところと低いところの株価を相対的な比率で表すと140くらいまで上がってきていることを下記グラフは示しています。

ESG投資を含むすぐれた投資信託を厳選するプロセス

どのような企業がESGで高く評価されるのでしょう?

環境問題への取り組みとして、社内でペットボトル販売の停止を社会的にアピールしているのに、マレーシアでは森林を伐採している・・・というような、表面的な印象操作で終わらせないために、企業や専門の調査会社によって、ESGはスコア化されています。

そして、そのESGスコアに対するスクリーニング手法は主に3つあります。

ESGのスコアが高い企業を中心に構成していく「ポジティブスクリーニング

欧州で多い、問題のある企業を投資のポートフォリオから排除していく「ネガティブスクリーニング

ESGのスコアとともにESGが企業評価にプラスに働いているかを総合的に判断する「ESGインテグレーション

さらにオリックス銀行で取り扱っているファンドは、上記のスクリーニングの前に、まずは「中長期で安定した実績を上げているファンド」を対象として選考しているそうです。

つまり、新規設定のファンドは除外されます。日本では、ESGの1項目をテーマとした新規ファンドが多いと思いますが、なぜ除外なのでしょう?

「新規設定のファンドでよくあるテーマ型ファンド、例えば「AIファンド」や「5Gファンド」のような過去の実績がなく、ブームにのって作ったファンドの場合、だいたいパフォーマンスが良くない。元々の実績のわからない上、スクリーニングの仕方がよくわからないまま採用するからだ。」と内藤氏が解説してくれました。

森氏は「次に、中長期の実績が偶然なのか必然なのか、今後も続くのかを判断するために、定性分析をする。この定性分析の1つの要素としてESGを取り入れている。」と説明してくださいました。

じっくり厳選した分析に加え、オリックス銀行で販売しているESG投資は販売手数料がかからないそうです。お得ですね。

運用戦略の具体例 ~オリックス世界社債アクティブファンド~

森氏は、「オリックス世界社債アクティブファンド」の運用戦略について解説してくださいました。

「オリックス世界社債アクティブファンド」は、オランダのROBECOが運用しているファンドで、世界各国の投資適格以上の社債に投資しているとのこと。社債を選ぶ際、投資適格か否かはとても大切な要素であり、投資適格に上がった瞬間、機関投資家はみんな買いにくるし、落ちた瞬間、一斉に売られます。

ここで価格のバイアスが発生するため、ROBECOはうまく利用して戦略を立てているそうです。

「オリックス世界社債アクティブファンド」は、一般的な社債ファンドが取り入れている「企業戦略」「財務状況」「企業構造、財務制限条項」「事業の状況」といったファンダメンタル分析に加え、ESGファクターを統合している点が魅力です。

社債は企業がものすごく発展しなくても、倒産さえしなければ返ってきます。デフォルト、つまり倒産を避ければ、パフォーマンスは相対的に良くなります。従って、このファンドでは倒産リスクを図るためにESG評価を取り入れているわけです。

最後に森氏は、「インデックス運用はコストが低く、分散投資ができる。インデックス運用は時価総額で均等ウェイトになるから、さらにESGを取り入れたアクティブファンドを組み合わせることでプラスアルファのリターンが狙えると提案します。」と纏めてくださいました。

今回のパネルディスカッションで、ESG投資を少し知ることができました。財務諸表ではわからない企業の価値、とても参考になる指標ですね。
個人的にはESGスコアで倒産を予測できそうなところが驚きでした。
インデックス運用とESG投資の組み合わせ、面白そうだと思いました。
ありがとうございました!

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