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マネフェス:Session6【資産形成術】NISA、イデコの「基本のキ」

専門家:山口京子氏

昨年巻き起こった「老後資金2000万円問題」。「年金だけでは老後資金が足りないので、2000万円の自助努力が必要」という専門家や識者たちの意見が、当時ニュースを賑わせましたが、皆さんはその準備ができていますか?

議論の中でよく紹介されていたNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)。二つの言葉になじみはあっても、その特徴や細かい違いは、まだ世の中に十分に理解はされてはいないようです。きちんと制度を理解すればとってもお得な税制制度。これは使わないともったいないですよね!

今回のパネルディスカッションでは、ファイナンシャルプランナーの山口京子氏が、これらの制度の基本を丁寧に解説してくれました。いったいどんな内容だったのでしょう?

12年間で2400万円を貯めました!

照明が落とされた会場に山口さんが現れ、パネルディスカッションが始まりました。透き通った声が会場に響き渡ります。参加されている方の雰囲気がぱっと明るく変わったのがわかります。

ご夫婦共に自営業を営まれている山口家は、毎月の年金支給予定額が夫婦それぞれ5万円だそうです。そのため、iDeCoの前の制度から、個人型拠出年金の積み立てをしてきました。昨年末の残高はなんと2400万円!これを「12年で貯めました」という話からスタートです。

証拠の画像とともに資産の残高が会場のスクリーンに映し出されます。本当に2400万円!これで山口家はすでに老後2000万円問題をクリアしたわけです。会場のテンションが高まってくるのが伝わってきます。自分にもこれだけの資産を築くことができるのか?皆さん興味津々です。そのヒントは、本日のテーマであるNISAとiDeCoにありそうです。

NISAとiDeCoの共通点

この二つの制度は、セットで語られるのが多いのですが、実は全く別の制度です。金融商品の名前でもありません。二つの制度に共通することは、「投資した利益に対して課税がされない」ということ。

通常、金融投資で利益がでると、20.315%が課税されますが、NISAとiDeCoではその税金が免除されます。

さらに後述の通り、iDeCoには「掛け金が全額所得控除になる」というメリットも。ただし現制度ではiDeCoは60歳までしか加入ができなかったり、企業型DC(確定拠出年金)の加入者はそもそもiDeCoに加入できなかったりなど、全員が使える制度ではないのにも注意が必要です。

迷ったらつみたてNISAからスタート

さて、NISAとiDeCoどちらからやるべきでしょうか?

山口氏のおすすめは「迷ったらつみたてNISA」から。その理由は、次のスライドを見ていただければわかります。

まずNISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。さらに年金制度としてiDeCoがあり、この3つの違いを知ることが大切です。

ややこしいですが、山口氏はそれらの違いについてポイントを押さえて解説します。

つみたてNISA

・金融庁が定めた条件に当てはまる金融商品に投資

・年間40万円まで投資可能

・最長20年間つみたてができる

一般NISA

・ほとんどの金融商品に投資

・年間120万円まで投資可能

・最長5年間投資ができる

iDeCo

・iDeCo口座を運営する金融機関が選んだ金融商品に投資

・積立可能額は人によって様々(企業型DC加入者はiDeCoには加入できない)

・60歳まで加入できるが、60歳まで積み立てたものを引き出せない

iDeCoは一度投資をしたものは、60歳まで下せないのがポイントとなります。

将来まとまったお金が必要になったときに、お金が引き出せないのは困るので、いつでも引き出し可能な「つみたてNISA」や「一般NISA」からスタートする。そしてさらに投資する余裕があればiDeCoを追加というのが、山口氏のおすすめということでした。

iDeCo所得控除とは?

NISAの概要がわかったところで、iDeCoの最大の特徴である所得控除の説明に移ります。山口氏より「今の低金利の時代、毎月2万円ずつ銀行の定期預金に預けていくと、1年で利子はいくら?」という質問が会場に投げかけられました。

答えはなんと「6円」。

ところが、iDeCoで毎月2万円ずつ投資をすると、その投資額は全額所得控除をすることができます。所得控除ということは、その分額面上の所得が下がるので、納める税金が少なくなるということ。例えば年収700万円の人であれば、ざっと7万2000円。年収300万の人でも3万6000円の節税効果を得られます。

更に説明は続きます。

「節税により手元に残ったお金を、また投資に回すことができます。銀行預金で得られる6円と、所得控除による節税分のお金。みなさんなら、どちらを選びますか?」

iDeCoもNISAも金融機関選びが大切

iDeCoもNISAも、一人それぞれ一つの口座しか持てません。(NISAとつみたてNISAでは、どちらか一つを選ぶ必要があります)

金融機関の変更はできますが、制度の恩恵を十分に享受できないこともあり、おすすめはできません。できるだけ口座変更をすることがないように、最初にじっくりと金融機関を選びましょう。山口氏は口座選びにあたり、二つのサイトを紹介してくれました。

モーニングスター iDeCo検索サイト→https://ideco.morningstar.co.jp/

iDeCoナビ 取扱金融機関比較 →https://www.dcnenkin.jp/#link01

積立投資の効果とは?

NISAとiDeCoの概要が一通り説明した後、話はメインの「積み立て投信の効果について」に移ります。山口氏が再び会場に問いかけます。

「まずは皆さんに問題です。これは実際に存在する投資信託の値動きのグラフです。あなたは毎月2万円ずつ12年間この投資信託に投資をし続けました。投資総額は288万円。さて、この投資結果はいったいいくらくらいでしょう?」

山口氏が会場の皆さんに挙手を求めます。「基準価格が半額くらいになっているので、投資結果も288万の半額の144万前後だと思う人?」「それより下?」「上?」「まったくわからない?」会場の雰囲気が和んでいきます。

正解はなんと78万円のプラスで356万円!

はたして会場の中にここまで資産が積みあがっていると読めた方はいたのでしょうか?

山口氏は続けます。

「初心者におすすめなのは、毎月毎月定額で同じ投資信託を積み立てで購入する分散投資。投資信託で複数の株式に分散。そして毎月買い続けることにより時間も分散。それをやりつづけた結果がこの通りです。」

うーん、実際にチャートを見ながら説明を聞くと、説得力が増しますよね。

毎月1万円でリンゴを買ってみよう!

話はさらに進みます。

「毎月りんごを1万円ずつ3か月間購入するとします。

最初の月はリンゴ1個=1万円
翌月はリンゴ1個=千円
翌々月はリンゴ1個=1万円。
全部でリンゴは12個買えました。」

「さて、このリンゴを1個5000円で売ってくれと言われました。あなたはいくらの利益を手にしましたか?」

3万円で手にいれた12個のリンゴを6万円で売るので利益は3万円です。会場のみなさんも、こんな取引なら自分でやりたいはず。

それなのに・・・

どうやらこんな値動きの荒い金融商品は、会場の皆さんは買いたくないようです。

しかし、このグラフをよく見ると、これは先ほどのリンゴの値動きを示したものと一致しています。ですからこの銘柄に毎月1万円ずつ投資をした場合、3か月後には3万円の利益が出ているということになります。グラフから受ける印象と、実際の運用結果がだいぶ違うということになるのではないでしょうか?

山口氏は続けます。

「日本人は「一括投資教」にはまっている人が多いです。持っている資産を一回で一つの金融商品に投資してしまうと、その価格の動きと運命を共にしなければなりません。これは価格が右肩上がりの場合は有効ですが、現実はそうはいかないことも多いでしょう。

ですから、実際の値動きが上がったり下がったりする金融商品の場合は、積み立てで購入するのが有効です。価格が下がったら、その分数を多く買えるので、嬉しいですよね?」

「それから、積立投資とは数を増やす投資です。投資に「絶対」という言葉は禁句ですが、積み立てて購入したものの数だけは絶対に減ることはありません!」

これも説得力がありますね。確かに価格の変動はあっても、売却しない限り投資信託の口数が減ることはないですから、安い時に数を増やすのには積立投資は一番有効ではないでしょうか?

さて、ここまでのお話を踏まえて、最後にこの金融商品はいかがでしょう?

5年で価格が1万分の1になったりんご

山口氏からの最後の問題です。

「このりんごに毎月1万円ずつ投資をすることにしました。投資積立スタート時、価格が1個1万円だったりんごは、どんどん価格が下落していき、5年後にはなんと価格が1個1円まで下がってしまいました。

それでも投資を続けていたところ、10年後(120か月後)にりんごが1個100円になりました。投資総額は120万円。いったいこの時のりんごの価値はいくらになっているでしょう?」

会場からは戸惑いの空気が。そして山口氏が再び挙手を求めます。

「10万円?」「50万円?」「100万円?」「120万円?」「200万円以上?」

資産額が100万円から120万円くらいだと思っている方が一番多かったのですが、果たして結果はいかに!?

正解はなんと344万円!

会場がざわめきます。

「これは価格が1円の時にりんごを爆買いしたおかげで、リンゴの数が増え、あとでちょっとだけ価格があがっても十分に利益が出た結果です。投資額の120万円より下だとおもっていた方、まだまだ一括投資教の呪縛から抜け切れていませんよ~」

価格が下がることで数を増やすメリットを、みなさんご理解頂けたでしょうか?

まとめ

会場の熱気が最高潮に達する中、山口氏が本日のまとめを行いました。

「積立投資の有効性は、りんごの数を増やす話でご理解頂けたと思います。これは投資信託の価格が下がっても最後にちょっと上がるものに投資をすれば利益を出すことができるということです。」

「そして今は人生100年時代と言われています。60歳から投資を初めてもあと40年もあります。40年あれば投資信託の価格は上がったり下がったりするでしょうから、積立投資で資産を形成するのが有効です。
りんごの数を増やすため、1か月でも早く始めること。一度買ったりんごの数は、絶対に減ることはありません。
そして積立投資には税制が有利なNISAやiDeCoを使いましょう。迷ったら是非つみたてNISAから始めてくださいね。」

30分という時間の中で、「iDeCo」と「NISA」と「つみたてNISA」の特徴をわかりやすくまとめ、さらに積立投資の有効性を具体的な数字で示し、老後資金の準備に活用するためのノウハウがぎっしりと詰まったパネルディスカッションは、こうして幕を閉じました。

今回のパネルディスカッションのテーマは、『NISA、イデコの「基本のキ」』でしたが、この話だけ押さえておけば、これ以上学ぶ必要がないほどの内容がカバーされていたと思います。会場を出る方々の表情も満足そうでした。
私も自分のやってきたiDeCoとつみたてNISAを続けることに自信を持つことができました。また、この話を聞いた方の一人でも多くが、NISAやiDeCoで資産を増やすことに成功すればいいなと思いながら、会場を後にしました。

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