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節税保険が日本人に好まれるわけ。そこに潜む明と暗・・・

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節税保険が日本人に好まれるわけ。そこに潜む明と暗・・・

中小企業経営者向けの死亡定期保険を巡り、販売現場で節税効果のPRが過熱している問題で、金融庁が生命保険業界に一部商品の設計の見直しを求めたことがわかった。

生命保険と節税に関しては、これまでもがん保険など、節税メリットのある生命保険に対して、国税のメスが入るなどの攻防があった。生命保険による節税は、なぜ経営者に好かれるのかについて考えてみた。

お金の目減りを嫌う日本人

生命保険による節税が経営者に好かれる理由は、日本人の貯蓄好きとも関係が強いと私は感じる。家計の金融資産構成を見ると、欧米諸国に比べて日本は預貯金と保険で約80%を占めているように、お金の目減りを嫌う国民性なのである。

これを経営者の視点に当てはめると、稼いで得た利益を法人税などの税金として納付するより、保険に払うことで税金の支払を抑え将来に向けてお金を少しでも貯めておくことを望むということである。節税効果の高い生命保険とは、商品による違いはあるが、毎年の保険料の一定割合を経費に計上できて法人税などの支払を抑えることができる。

年数の経過と共に解約返戻金が増え、解約返戻金が1番多い時期には払った保険料の7~8割位まで増える。そのタイミングで解約して得た現金を退職金などの経費に充てることで「解約するまでに払った合計の保険料<節税で貯めたお金+解約返戻金」という構図になり、節税しながらお金の元本が目減りしないという特徴が、貯蓄好きの日本人経営者に好まれる大きな理由だと私は考える。

お金の自由度が高いのは納税すること

生命保険による節税と解約返戻金を加味して、お金の目減りをさせない対策をすることは、生命保険本来の目的である保障も合わせて考えるのであれば良いと私は思う。ただ、お金を効率的に運用するという点から考えるとマイナス要素が見えてくる。

法人の場合、利益が800万円までであれば約25%、800万円を超えた利益に対しては約35%の税金の支払が発生する。例えば、利益が1,000万円の法人が、利益を抑えるために、全額経費計上できるタイプの生命保険に1,000万円払えば、約270万円の税金支払を免れることができる(800万円×25%+200万円×35%=270万円)。節税の観点からすれば魔法のような話であるが、270万円の税金支払を避けるために、生命保険に1,000万円を払っているので、手元から1,000万円の現金は払った時点では見えなくなっている。

反対に、保険に支払わず1,000万円の利益で約270万円の納税をした場合、手元には730万円は残り、このお金は自由に使えるのである。解約返戻金のピークになるタイミングまで寝かせておけるお金であれば節税も兼ねられて良いが、今の事業に必要なお金を必要な所へ振り向けたり、新規事業への投資を行うという点で積極的に動かしたいという観点から見ると、使いたいお金の自由度を失って投資機会のタイミングを失うことにもつながりかねないのである。

節税保険の見直しという話題があがっているこのタイミングは、経営者にとって利益と節税、お金の使い道のバランスを考える、1つのきっかけにもなるのではないかと私は考える。節税商品であれば、国の独立行政法人が運営している「経営セーフティ共済」というものもある。こちらも一考されると良いのではないかと私は考える。

参考:
経営セーフティ共済
http://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/entry/index.html
3ページ図表2家計の金融資産構成
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf#search=%27%E5%AE%B6%E8%A8%88%E3%81%AE%E9%87%91%E8%9E%8D%E8%B3%87%E7%94%A3%E6%A7%8B%E6%88%90%27
2018年12月6日朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASLD555TLLD5ULFA020.html?fbclid=IwAR12w3CIh9DeODZiRh_4Q-p6am4P6W4e1j6c5zrebkfAMhSRfWG2JpdekYk

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