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不動産投資の平均的な利回りは今どのくらい?どのくらいの収益を目指すべき?

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不動産投資の平均的な利回りは今どのくらい?どのくらいの収益を目指すべき?

1.はじめに

不動産投資は金額が大きいので、後悔しないようにしたいものです。とはいえ慎重過ぎると投資の機会を逸してしまいます。不動産の種別の平均的な利回り水準(相場観)を知り、投資対象の物件の特徴を踏まえて利回りを比較すれば、失敗する確率を下げることができるでしょう。

今回は、不動産投資の平均的な利回りがどのように推移してきたかなどを見ながら、どのような物件が失敗の確率の低い投資対象か、中古ワンルームマンションを既に保有している場合次に投資を検討するとしたらどのような物件が良いか考えてみましょう。

なお、利回りの種類や計算方法については「不動産投資における利回りと、利回り計算方法」に詳しく説明されていますので、併せてご一読ください。

1.1不動産投資と利回り

不動産と一口に言っても様々な種類の物件がありますので、特徴によって区分マンション、1棟マンションなどいくつかの種別に分けられます。それぞれ更に立地や構造などの特徴があり、投資をする際には似たような特徴を持つ物件の平均的な利回り水準(相場観)を念頭に物件の特徴を検討してみましょう。

2.1 利回りの推移

Investment, money, interest and financial concept.

過去数年間は積極的な財政・金融政策によって国内の不動産市場は概ね好調に推移しています。不動産投資の利回りの目安としてよく利用される資料に、日本不動産研究所の「不動産投資家調査」があります。これによると、賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)東京城南地区の期待利回り(2019年4月)はリーマンショック前の2008年4月は5.0%、リーマンショック後の2009年4月は6.0%に上昇し、その後緩やかに低下して現在4.3%まで下がってきています。

2.2 利回りの考え方基本的な考え方~リターンとリスクのトレードオフ~

20平米前後の中古ワンルームマンションの現在の平均的な実質利回りの水準は、千代田区、港区、中央区などの一等地の築浅(築20年前後)で4%前後、少し郊外の築古(築30年前後)だと5%前後といわれています。この差はどこから生じるのでしょうか?

不動産投資のリスクは一般に、空室リスク、流動性リスク、価格変動リスク、修繕リスク、災害リスクなどが挙げられますので、投資にあたってはこれらのリスクに見合ったリターンが求められます。すなわち以下のようになります。

・空室になりやすい物件ほどリスクが高くリターンも高い
・現金化しづらい資産の方がリスクが高くリターンも高い
・価格変動(特に下落)の可能性が大きいほどリスクが高くリターンも高い
・修繕の可能性の高い物件ほどリスクが高くリターンも高い
・災害の恐れのある地域の物件ほどリスクが高くリターンが高い

3 種別による平均的な利回り

紙幣とマイホーム

区分マンション、1棟マンション、海外区分マンション(コンドミニアム)について平均的な利回り水準を見てみましょう。

3.1 ワンルーム(都心部/郊外、築浅/築古)

ワンルームマンションは不動産の種別の中では市場参加者が比較的多く、ローリスクローリターンの投資対象です。立地、面積、築年数、駅からの距離、1階かそれ以外かなどのスペックでだいたい利回りの見当がつきます。似たような属性の物件を数件並べてみれば平均的な利回り水準の見当がつきます。表1は都心築浅、表2は郊外築古の物件の例です。なお、もっと高い利回り(低い価格)の物件もありますが、サラリーマンが副業として投資しやすい、管理会社に任せられて手間のかからないような物件を例示しています。

(表1)都心築浅の場合

最寄駅

面積
(㎡)

築年数
(年)

駅から徒歩
(分)

階数
(階)

価格
(万円)

想定家賃
(万円)

実質利回り(%)

麻布十番

19.1

19

3

5

2,500

9.0

3.9

神田

22.3

17

9

6

2,100

8.5

4.0

八丁堀

19.0

15

4

6

2,200

8.5

3.9

(注)2019年4~7月の売却物件事例より。実質利回りは表面利回りから1%程度差し引かれています。
(表2)郊外築古の場合

最寄駅

面積
(㎡)

築年数
(年)

駅から徒歩
(分)

階数
(階)

価格
(万円)

想定家賃
(万円)

実質利回り(%)

下高井戸

16.2

32

2

8

1,200

62,000

4.9

学芸大学

20.4

34

12

2

1,500

75,000

5.0

川崎

18.2

29

11

2

1,200

66,000

5.1

(注)2019年4~7月の売却物件事例より。実質利回りは表面利回りから1.5~2.0%程度差し引かれています。

郊外築古の物件の利回りは都心築浅物件に比べて高くなっていますが、都心の物件に比べて借主を見つけづらい場合が多いので、余程の魅力があったり、一般に知られていないような情報や土地勘があったりしない限り、都心に近い物件の方が安心です。

投資対象として検討している物件が、同じような属性にもかかわらず、利回りが平均的な水準より高い場合や低い場合はその理由と利回りへの影響が妥当な範囲かどうか検討しましょう。利回りが高い場合は設備が特殊だったり事故物件だったりする可能性もありますので注意が必要です。

新築の物件は、新規販売時の広告費や現在の比較的高い建築費が価格に上乗せされていて、中古になった途端に20~30%価値が下がるため投資対象としては中古の方が良いでしょう。

3.2 一棟マンション(都心・郊外)

一棟マンションは区分マンションに比べて難易度の高い投資対象です。物件の個別性が大きく、なかなか横並びで比較することができません。また、一件当たりの投資額が大きいため、銀行の融資姿勢の影響を受けやすく、市場参加者が専門業者や富裕層に限られ、流動性が低くなります。近年のシェアハウスメーカーや銀行の不正融資問題などから、銀行の融資態度も区分マンションに比べて慎重です。道路を含む近隣の環境、用途地域、建物の構造、容積率、入居率、積算なども考慮に入れる必要があります。郊外や地方で非常に利回りの高い物件がありますが、リターンが高いということはリスクが高いということです。リスクが高い分、区分マンションの利回りよりも1%程度以上高いリターンを目標にするのが良いでしょう。節税目的で需要を無視して建てられた物件は空室率が高くなりがちなので、投資にあたっては充分な注意が必要です。管理の手間暇もかかり、修繕にもまとまった額が必要になるので、ある程度時間や資金の余裕があったり、大家業を本業にしようと考えたりする人におすすめです。

(表3)

最寄駅

建物面積
(㎡)

土地面積
(㎡)

築年数
(年)

駅から徒歩
(分)

階数
(階)

戸数
(戸)

価格

構造

満室時
利回り
(%)

白金台

445.92

199.92

21

10

3

6

3億1,500万円

RC

5.07

三鷹

375.74

149.16

34

7

4

14

1億9,800万円

RC

5.73

(注)2019年7月の売却物件事例より。

上の例のような一棟マンションの利回り水準はだいたい4~6%程度が多いですが、全体としてばらつきが大きいので、物件の特徴を踏まえてリスクに見合った利回りかどうかを仲介会社や金融機関の見解も参考にしながら充分検討しましょう。区分マンションよりもリスクが高いので、利回りも1~3%程度以上は高い水準が必要でしょう。

3.3海外不動産(先進国/新興国)

国内と比べた海外の物件は、投資環境として、人口が増加傾向であること、経済が発展途上で実質GDP成長率が比較的高いこと、為替リスクがあること、各国で通貨や税金に関する規制が異なること、各国の経済金融情勢や不動産の需給状況の違いなどが挙げられます。国内不動産に比べてプラスの要因もありますが、為替変動や規制のリスク、国内不動産よりも手間暇がかかることから、一般に国内不動産よりも高い利回りで取引が行われています。

米国や英国のような先進国では不動産取引、税金、為替に関する制度が整っていて透明性が高いこともあり利回りは比較的低くなります。フィリピン、べトナム、カンボジアなどの新興国では経済成長が期待できるものの不確実な要素もあり、制度が未整備だったり情報が限られていたりする場合もあることから利回りは比較的高くなります。新興国の場合、国内の区分マンションに比べて1~3%程度高い利回りを目標にするのが良いでしょう。

(表4)

都市/都市圏

地区

間取り

面積
(㎡)

価格
(万円)

完工予定
(年)

フィリピン

マニラ

グローバルシティ

1Bed

38

1,903

2021

フィリピン

マニラ

マカティ

Studio

29

1,383

2024

カンボジア

プノンペン

ボンケンコン

Studio

27

1,024

2020

(参考:フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社

現在のところ海外不動産はローンで購入することが難しい一方で、支払方法にはいろいろなパターンがあり、プレビルドの物件を分割で支払っていくケースも多いようです。ローンを組みづらい人も投資しやすいですが、外貨建ての負債を抱えることになるので為替リスクに注意が必要です。また、利回りを比較する場合もキャッシュフローを加味する必要がありますので、(完工時期や売却価格の見込みはかなり不確実ですが)IRRを用いて所有期間利回りを考えてみるのも良いでしょう。

物件によっては5~10%程度で3~10年程度の利回りが保証される形の取引もあり、手間暇が抑えられて便利ですが、その場合は念のため仲介会社やデベロッパーなどの信用状態も確認して投資するようにしましょう。税金や家具を揃えたり修繕したりするのに思ったより出費がかかる可能性もあるので、購入前の確認とともにある程度余裕資金も準備しておくのが良いでしょう。また、完工が遅れたりなかなか借主が見つからなかったりすることもあるので、気長に取り組みましょう。

実際に投資をする場合は、投資対象国の成長率などを念頭に置きつつ、特に新興国の場合、首都において一等地の良質な物件を購入するのが比較的リスクの低い方法です。何かあった時現地に駆けつけて自分で対応するのは国内不動産より更に難しいため、信頼できる仲介会社から物件を購入し、管理会社と長期的に良好な関係を築いておくことが重要です。

なお、為替についてはリスクではありますが、長期的に円安を予想している場合や収入源の分散のために外貨建ての収入源を確保したい場合は海外不動産投資は魅力的な投資対象といえます。

4 利回りと投資のタイミング

Taking decisions for the future

過去数年間都心の物件を中心に不動産価格は上昇を続けています。不動産の市況にはサイクルがあり、「不動産投資家調査」で多くの投資家がそのピークにあるとみている現在、これから不動産に投資しても大丈夫でしょうか?

4.1 海外の一等地と比べて

ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、香港、台北といった世界的にも人気のある都市の不動産投資の利回りは1~2%程度といわれており、東京の都心よりも利回りが低い水準になっています。東京には食や安全をはじめとして様々な魅力があり、日本全体としては人口が減少するとしても東京の一部の地域に限っては外国や国内の他地域からの人口流入が継続して不動産価格が更に上昇し、利回りが低下する可能性があります。

4.2 イールドギャップ

1990年前後のバブルの時期には今と比べて金利が相当高かったり、イールドギャップ(投資から得られる利回りと長期金利の差)がマイナスになったりしていました。イールドギャップが0やマイナスの場合はリスクを考えれば不動産投資は合理的でなくなりますが、例えば1%位などリスクに見合う程度にプラスの場合は不動産に投資する価値があるでしょう。

4.3 キャッシュフローと資産形成・保全の観点から

借入れの金利水準や期間にもよりますが、月々の家賃収入がローンの返済額を上回れば、プラスのキャッシュフローが得られます。また、実質的に自分のローンを借主が返済してくれるようなものなので、自分が何もしなくても時の経過によって純資産が増えていくことになります。空室期間が長く自分でローンを返済しなければならなくなったり、不動産サイクルの底で耐え切れず物件を売却してしまったりしなければ、低金利で借入れができる現在は不動産サイクルよりも長期にわたって物件を保有し続ければ、長期的には損失の可能性は小さくなると思います。

4.4 インフレ対策として

負債をつくれることは不動産投資の大きなメリットの一つです。将来インフレが起こるとすれば、現金・預金は実質的な価値が目減りしてしまいます。一方で負債も実質的な価値が目減りするので、インフレ時には負債をつくって値上がりする可能性のある実物資産を保有している方が有利といえます。先のことはわかりませんが、国と同じようなポジションをつくっておけば、インフレが起こっても少し安心です。

5 まとめ

ローリスクローリターンの区分マンションで不動産投資の一歩を踏み出した後は、区分マンションを買い増していくか、よりリスクや期待リターンの高い一棟物や海外不動産にチャレンジしてみるか、あるいは売却するか迷うことがあるかもしれません。そんな時は区分マンションに比べてどのくらいの利回りがあればリスクに見合った収益になるか考えてみましょう。また、自分のライフステージ、家計の支出の見通し、自分の借りる力、とれるリスク、不動産投資・管理に割ける時間などに照らしてみることも、投資対象の決定に資すると思います。

利回りは投資環境や個別の物件の状態の変化で変動しますが、似たような属性の物件の平均的な利回り水準から乖離している物件については、何かしら理由があるはずなので、慎重に検討しましょう。また、同程度のリスクでより高いリターンを得るには、日頃からの情報や信用の蓄積も大切です。

足元の投資環境は先行きがやや不透明になってきていますが、低金利が続く限り無理のない範囲で立地を間違えず長期間継続的に取り組めば、不動産は失敗の可能性が比較的小さい投資といえます。予め金利が上がり始めた場合、円安になり始めた場合、東京への人口流入が反転し始めた場合、不動産価格が下落し始めた場合など過去数年間の環境に変化が生じた場合どうするか想定しておくとともに、投資した場合の最大限の損失はどのくらいか、それは他の資産や収入でカバーできるかなどの点も検討しておくと、いざという時慌てずにすむでしょう。
以上
参考:
『日本×世界で富を築く グローバル不動産投資 (黄金律新書)』内藤忍
https://gentosha-go.com/ud/books/597580cc7765610743000000

日本不動産研究所「不動産投資家調査」
http://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2010/10/kouhyou.pdf

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