×

ログイン

会員登録はこちら

世界経済のこれからを読む! 〜トランプリスクと日本の財政赤字のインパクト│第9回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

世界の資産運用フェアタグ:        

LINEで送る
Pocket

世界経済のこれからを読む! 〜トランプリスクと日本の財政赤字のインパクト│第9回 世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

Session9 世界経済のこれからを読む!~トランプリスクと日本の財政赤字のインパクト

■日時:2019年2月9日(土) 17:45〜18:15(30分)
■開催場所:大手町サンケイプラザ4Fホール
■モデレータ:内藤 忍
■特別ゲスト:池田 信夫 氏、渡瀬 裕哉 氏
■レポーター:木下 純平


 

目まぐるしく変化する世界経済のこれからを読むために、グローバルでの様々な出来事に対し、個人投資家としてはどのように捉え、どのような投資行動をとればいいのか?アゴラ研究所所長の池田信夫氏とパシフィック・アライアンス渡瀬裕哉氏を特別ゲストとして迎え、モデレータ内藤忍氏との対談形式にて最新情報を伺います。

厚生労働省の統計不正問題

1M9A7190

最初のトピックは、昨今世間を賑わせている厚生労働省の統計不正問題です。
ニュース報道等では、アベノミクスのためのねつ造ではないか、などと野党がかなり強い疑いをかけている様子です。しかし、この問題は実はそれほどたいした話ではない、というのが池田氏の見解です。池田氏によると、アベノミクス偽装で政権が不正統計に手を出すことなどはあり得ない、ということです。

この問題はそもそも2003年通達により変更が示され、2004年から今の計算方式となったとのことですが、池田氏の見解によると、原因は単なるプログラム上のミスとのこと。
具体的には、500人以上の企業の全数調査と通達されたにも関わらず、1/3のサンプリング調査となってしまっていたというのです。1/3のサンプリング調査自体には問題はないのですが、それを3倍することをプログラム上で失念しており、そこに問題があるとのこと。全数調査を1/3のサンプル調査に省力化した代わりに、中小企業のサンプルを増やす、という効果的な変更を実施したにもかかわらず、最後にデータを3倍することを見落としたソフトウェアのバグであろう、との見解を示されました。

寧ろ問題だったのは、それが15年間発見されなかったことにある、とも指摘されました。
なぜ15年もバグを見抜けずにそのモデルを使い続けたのか?
こういったプログラム上のバグは他の統計データでも起こり得ることでもあるが、それを見抜ける体制が整っていなかったことの方が問題、とのことでした。

北朝鮮問題、朝鮮半島問題

1M9A7188

次のトピックは朝鮮半島問題です。
渡瀬氏によると、アメリカと北朝鮮は既に手打ちの状況というのはわかっており、現時点では問題ない、との見解を示されました。
特に、昨年5月の時点で、共和党員は朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争の終結を理由にトランプ大統領を2019年のノーベル平和賞に推薦しており、このことからも共和党としては北朝鮮とは手打ちの状況と認識している、とのこと。
米と北朝鮮の関係は、現在もそこから状況は大きく変わっていないことから、これからの北朝鮮問題に対してはそれほど重要ではないとのことでした。

米中問題は?

1M9A7187

一方、米中問題についてはどうでしょうか?
渡瀬氏によると、「昨年はペンス副大統領の演説などで、中国に対しアメリカの強硬な姿勢がみられた。しかし、基本的に中国とは硬軟織り交ぜながらも最終的には妥協するという姿勢でいるはず」との見解でした。

また、「トランプ大統領による一般教書演説で、米軍はシリア、中東から事実上撤退すると宣言するなど、現在米国内での注目は東アジアよりむしろ中東問題である」、
「中東問題が完全に片付いたら東アジアに目が向くかもしれないが、現状中国とは話し合いをして妥協点を見つけるという姿勢で、米中問題はそれ程大きな問題ではない」との見解も示されました。

米国にとっても、中国と経済面でもめることはデメリットが大きいと判断している模様。
ファーウェイなど個別企業に制裁を加えながら知的財産権の部分は改善を目指すが、残りの本流の部分はゆっくり解決していく、という姿勢とのこと。

基本的に今は、米国政府としては中東情勢に注力しており、東アジアはそのあとの対応でよい、という考えであり、現時点では、中東問題が片付かない限り、東アジアに出てこられないのが現在の米国国内状況、とのことでした。

米国のインフレ、金融政策について

1M9A7199

池田氏によると、「米国は利上げモードからニュートラルへ転換した、但し利下げまではない、今年は相場の転換点になるのではないか」との見解を示されました。

続いて米国のインフレについては、トランプ政権による減税で財政赤字が拡大したものの、米国の実質金利がほぼゼロで推移していることから、これまでの、財政赤字からの悪い金利上昇・インフレにつながるというシナリオは起こらないのでは、との見解を示されました。

更に、リーマンショック以降、長らくゼロ金利・ゼロインフレが続いたことから、これまでの経済常識が間違っているのではないか、との問題提起もされました。
今の米国において、財政赤字から金利上昇・インフレというのは20世紀の常識であって、21世紀はもっと違う常識が働いている可能性があるとも指摘されました。

「先進国のみの思考から、これからは新興国を含めたグローバルの思考が必要であり、グローバルで一物一価が決まっていく。」
「世界的にみると均衡に向かっているのではないか」という池田氏の見解でした。

トランプ大統領選挙について

1M9A7187

次のトピックは2020年トランプ大統領再選あるか?
これに対し渡瀬氏は、相手次第、との見解を示されました。

前回大統領選でのトランプ大統領の勝利は、相手候補が弱かったことが最大の要因で、次回
普通の相手候補が出てきたら勝つのは難しいのでは、とのこと。
2018年の中間選挙において、下院で民主党が多数党に返り咲いたのが、現状を忠実に表しているとも。
従って、まともな民主党候補者が出てくればトランプ大統領の苦戦も考えられるが、問題はまともな民主党候補がいるかどうか、とうことです。

また、中間選挙と大統領選の違いは、中間は景気状態にはあまり左右されない点とのこと。
仮に、マクロの経済状態をトランプが維持できる、ということであれば、トランプ大統領再選の可能性は十分考えられるとのことでした。

加えて、トランプ大統領の支持率はこれから回復するとの見解も示されました。
理由は一般教書演説の評価が高い結果となったことです。
演説は、かなりユダヤ人にアピールした内容であったことから、今後も抑えるべき重要ポイントをきちんと抑えていけば、支持率は徐々に改善していくだろう、とのことでした。

日本の財政問題、インフレ問題は?

次に、日本の財政問題、インフレ問題にも言及されました。
池田氏によると、日本ではインフレ問題はしばらく起きないだろうとのこと。
財政問題によって日銀のバランスシートが悪化するとか、実質債務超過になるとかいう懸念は、論理的には考えられるが、現在において少なくとも金利の上昇を考える必要はないのではないか、という見解を示されました。

日銀の政策は?

池田氏は、日銀はそろそろ出口を探しているはず、という読みをされております。
但し、米国の金融引き締め停止や、世界経済が危うくなってきている中、日銀だけが別行動をとることは円高圧力が強まることから考えづらいとのこと。
従って、当面はこのまま政策を維持するのでは、との見解を示されました。

最悪シナリオ

日本経済での最悪シナリオはどのようにお考えですか?との問いに対し、池田氏は、
資産価格の崩壊が一番怖い、とのこと。
即ち、一度資産価格が崩壊してしまうと企業が委縮してしまい、それが日本経済の停滞の大きな要因となってしまう、日本のバブル崩壊以降、未だに企業が貯蓄超過の状況にあることがそれを顕している、とのことでした。

メディアについて、情報収集に注意すべきこと、正しい、リアルな情報を収集できるか?

最後に、正しい情報収集について質問がされました。
渡瀬氏によると、米国政治についてはできるだけ日本のニュースは見ないほうがよい、との意見が示されました。
なぜなら、日本のニュース番組でのコメント等は、急な依頼や時差により準備不足の状態であることが多く、よほどの準備がない限り米国政治に関しては参考にしない方がいい、とのことでした。

逆に参考になるのはウォールストリートジャーナル、デイリーシグナルというメルマガ
ロールコールという議会の状況が詳しく書かれているサイト、とのご紹介もありました。
いずれも、誰にもフィルターをかけられていない一次情報であるということがポイント、とのことでした。


世間での出来事に対し、我々個人投資家が得られる情報は、一般にはマスメディアからの情報が中心になります。そしてその情報は一次情報とは限らず、何層ものフィルターにかけられ真実とはかけ離れた内容として伝わっている可能性もあります。従って、渡瀬氏もご指摘のように、限られた一次情報からできるだけ真実の情報を取り入れ、正しい判断をすることが、我々個人投資家としても大変重要なポイントとなります。その意味で、当セッションのような専門家からの生の声をきける機会をこれからも存分に活用し、より多くの正しい情報を取り入れ、これからの投資行動に活かすことの重要性を痛感させられたセッションでした。
(取材・文/木下 純平)

1M9A7205
1M9A7210
1M9A7207

LINEで送る
Pocket

第10回 世界の資産運用フェア

第9回世界の資産運用フェア パネルディスカッションレポート

人気記事

「第9回 世界の資産運用フェア」パネルディスカッションレポート

お知らせ

「第9回 世界の資産運用フェア」パネルディスカッションレポート

2月9日に開催した「第9回 世界の資産運用フェア」。今回も多彩なゲストを迎え、全 ...

日本人の“お金とのつきあい方”を根本から変える「お金の増やし方1日集中講座」レポート

お金の増やし方1日集中講座

日本人の“お金とのつきあい方”を根本から変える「お金の増やし方1日集中講座」レポート

日本人の“お金とのつきあい方”を根本から変える「お金の増やし方1日集中講座」レポ ...

お金を増やせないたった1つの理由とは!?〜「お金の増やし方1日集中講座」を受講して〜

お金の増やし方1日集中講座

お金を増やせないたった1つの理由とは!?〜「お金の増やし方1日集中講座」を受講して〜

内藤忍氏とミアン・サミ氏の初のコラボ講座が開催された。筆者も含め今回の受講参加者 ...

> 人気記事をもっと見る