神のみぞ知る・・・ビットコインはバブルだったのか?!

日本人の平均寿命は80年と言われています。長い間生きていると、何度となくバブルを経験するものです。大きいところでは1980年代のバブルを経験した人も多いことでしょう。比較的近いところでは2000年ごろ起きたITバブルでした。今から振り返ると異常だったとわかるのですが、渦中にいた人に聞いてみると、当時はバブルに気づかなかったとのことでした。
例えば1980年代のバブル時は、日経平均株価のPERが60倍を超えていました。PER60倍など、今から考えるとおかしいのです。のちのITバブルも似たようなものです。アメリカのインターネット企業のPERは100倍を超えたりしましたが、そんな理屈は関係ありません、買うから上がる、上がるから買う、ただそれだけのお話しでした。
このように物事がサイクルを描きながら一方向に進むときは、必ずと言ってよいほどバブルが生じているものです。株の世界ではPERやPBR、債券の世界では利回り、不動産の世界では収益率、このような割安感を図る指標を、私たちは長年の経験から蓄積してきたにもかかわらず、いまだに人はバブルと無縁でいられません。
冷静な判断が常に欲望に負けてしまうということであれば、私たちの経験はいったい何だったのでしょう。最近ではビットコインなど仮想通貨です。
2018年2月26日付日経新聞電子版のマネー研究所によると、さわかみ投信の澤上会長は、急騰したかと思えば価値が一時3分の1になるなど、乱高下が著しいビットコインは、長期投資家からすると、そんなはやり物に、いちいち関心を向けていられるかの一言で片付けました。
一年で20倍になった、1万円で買ったビットコインが100万円になった、億り人続出・・・などと聞きますと、過去のバブルと似た空気を感じないわけにはいきません。
しかも株や債券、不動産などと違ってビットコインには割安感を図るための指標がありません。それだけに上がるから買う、買うから上がる、このサイクルがいったん生まれてしまうと、もう誰にも止められません。
一つだけ明らかなのは、バブルは膨らめば膨らむほど、破裂した時のショックが大きくなるということです。いつバブルがはじけるのか、いや、一旦下がって再度上昇するのか、神のみぞ知る・・・
参考:
2018年2月26日付日本経済新聞電子版 マネー研究所「長期投資家はビットコインに踊らない」(澤上篤人) さわかみ投信会長
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26358030R30C18A1000000?channel=DF280120166593&style=1