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不動産投資と節税効果について解説します!

⒈はじめに

この記事では、不動産投資に伴う税金とその節税方法を紹介していきます。サラリーマン(給与所得者)の方が主な対象ですが、個人事業主(事業所得者)の方も、基本的な考え方は同じです。

*復興特別所得税(所得税×2.1%)などは考慮していません。

⒉所得税・住民税

所得税・住民税(所得割)は、儲け(所得)に対して課される税金です。所得税と住民税の計算方法は、ほとんど同じですので、以下所得税について説明していきます。

⑴不動産所得

不動産所得とは、土地や建物など(不動産)の貸付けに係る所得をいいます。不動産所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引く(控除する)ことによって求めます。(下記、③の青色申告特別控除額があれば、残った金額からさらに控除します。)

また、給与所得者の場合において、不動産所得の金額が20万円以下のときは、原則として確定申告する必要はありません。(その分の税金を納める必要はありません。)

なお、事業であれば事業税が、住宅以外の建物の貸付けであれば消費税が課されることもあります。(前々年の課税売上高が1000万円以下等の場合には、消費税は課されません。下記、⑸も同じです。)
*事業とは、例えば、一戸建て住宅の貸付けは5棟(事業税は10棟)、アパートの貸付けは10室が目安となります。

①減価償却費

建物などは、使用や時の経過とともに劣化して価値が減少していきます。したがって、その建物などを購入した年だけの費用とするのではなく、使用可能年数(耐用年数)にわたる費用としなければなりません。この費用配分の方法が減価償却です。

また、資産の種類によって減価償却の方法が決められています。建物は定額法のみ、建物附属設備などは定額法か定率法(届出なければ、定額法)です。

*定額法とは、毎年同じ金額が計算される方法です。定率法とは、徐々に計算される金額が少なくなっていく方法です。

②借入金利子

不動産の購入資金を借り入れた場合には、その利子を必要経費にできます。ただし、給与所得者が新たに業務を開始した場合には、その業務を開始する前の借入金利子は、土地や建物の購入代金等に加算します。

*借入金の返済方法には、元金均等返済方法と元利均等返済方法があります。

元金均等返済方法とは、毎回返済する元金の額が同じ方法です。元利均等返済方法とは、毎回返済する元金と利息の合計額が同じ方法です。利息分だけ総返済額が多くなります。

③青色申告特別控除

青色申告の場合には、最高10万円(青色申告で事業の場合には、最高65万円)を控除できます。
注令和2年分から65万円が55万円になります。(今までの正規の簿記に従い記帳する等の一定の条件に加え、電子申告等の条件を満たす場合には、これまでどおり65万円です。)
*青色申告制度とは、申請をし、税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書を青色の申告書により提出することができるという制度です。一定の帳簿書類の備え付けが必要です。

④事業専従者控除・青色事業専従者給与

15歳以上の家族(生計一親族)が事業に従事した場合(6月を超えて専ら事業に従事した場合)には、一定額を必要経費にできます。

その一定額とは、事業専従者控除は最高50万円(配偶者は最高86万円)、青色事業専従者給与(届出が必要)は適正額(相当額)です。ただし、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除は受けられなくなります。

なお、青色事業専従者についても、所得税・住民税の納税が必要になることがあります。(社会保険料の負担も必要になることがあります。)

⑤租税公課

不動産取得税・登録免許税は取得時に、固定資産税は保有時に課される税金です。いずれも必要経費にできます。(事業税は必要経費にできますが、所得税・住民税は必要経費にできません。)
*住宅の貸付けについては、不動産取得税・固定資産税の軽減措置があります。

⑵損益通算

不動産所得の損失の金額(赤字)と給与所得などの金額(黒字)とを相殺することを損益通算といいます。ただし、不動産所得の損失の金額のうちに、⑴②の借入金利子がある場合には、土地部分に対応する金額については、損益通算できません。

また、青色申告の場合には、損益通算しきれなかった金額を、翌年以後3年間繰越して控除すること等ができます。

つまり、給与所得などの金額が少なくなることにより、所得税・住民税も少なくなります。(給与所得者の場合には、確定申告を行い、年末調整で源泉徴収された源泉徴収税額の還付を受けます。)

⑶超過累進税率

給与所得などは超過累進税率で課税されます。超過累進税率では、課税総所得金額が大きくなればなるほど、掛ける税率も高くなるという階段状の構造になっています。

課税総所得金額とは、給与所得などの金額と不動産所得の金額の合計額(損益通算等後の合計額)から所得控除額(基礎控除や配偶者控除など)を控除した金額です。

したがって、毎年の課税総所得金額の合計額が同じでも税金の合計額が異なることがあります。(毎年の課税総所得金額が異なると、税金の合計額が多くなることがあります。)

住民税は比例税率10%で変わらないため、以下は所得税のみで計算しています。⑷も同じです。

① 課税総所得金額が、前年・本年ともに300万円の場合

3,000,000円×10%−97,500円=202,500円
202,500円×2=405,000円

② 課税総所得金額が、前年100万円、本年500万円の場合

1,000,000円×5%=50,000円
5,000,000円×20%-427,500円=572,500円
50,000円+572,500円=622,500円

③ ①<②

⑷具体例

給与収入500万円(給与所得346万円)、所得控除額200万円、不動産所得▲100万円とします。

①不動産投資前

3,460,000円-2,000,000円=1,460,000円
1,460,000円×5%=73,000円

②不動産投資後

▲1,000,000円+3,460,000円=2,460,000円
2,460,000円-2,000,000円=460,000円
460,000円×5%=23,000円

③①-②=50,000円

注:令和2年分から基本的には、給与所得控除が10万円引き下げられ、基礎控除が10万円引き上げられます。この具体例では結果は変わりません。

⑸譲渡所得

不動産を売却(譲渡)した場合には、不動産所得ではなく、譲渡所得という別の所得となります。譲渡所得の金額は、総収入金額から取得費と譲渡費用を控除して求めます。譲渡所得は、比例税率(定率)で課税されます。

その年1月1日における所有期間が5年超の場合には、通常20%(5年以下の場合には、通常39%)です。(所得税と住民税の合算税率です。)

*取得費とは、不動産の購入代金等からこれまでの減価償却費の合計額を控除した金額です。譲渡費用とは、仲介手数料等の譲渡に際して直接要した費用をいいます。なお、建物の譲渡であれば消費税が課されることもあります。

⑹まとめ

不動産所得の金額が赤字になれば、給与所得などの金額が少なくなるので、所得税・住民税は節税できます。しかし、利益を得るという不動産投資の目的と矛盾するため、本当の意味での節税と言えるのか疑問が残ります。

なお、住宅の貸付けを事業で行い、青色申告にすることが税制上最も有利です。

⒊法人成り

個人組織から会社(法人)組織にすることを法人成りといいます。法人成りした場合には、その法人からは役員報酬(給与所得)・配当収入(配当所得)・賃貸料(不動産所得)を受け取ります。

法人には、法人税等が課されます。所得税が原則として5%から45%までの超過累進税率であるのに対して、法人税は23.2%(資本金1億円以下で課税所得金額年800万円以下の部分には、通常15%)の比例税率である等の理由により、法人成りすると全体の税金が少なくなることがあります。

⒋不動産投資信託

不動産投資には、空室リスク・家賃滞納リスク・不動産価値下落リスクなどがつきまといますし、事務処理も面倒です。そんな問題を解決してくれるのが不動産投資信託((J-REIT)です。

この不動産投資信託は、専門家である不動産投資法人(実際には、資産運用会社)が不動産の保有・運用を行ってくれるというものです。その不動産投資法人からは分配金(配当所得)を受け取ります。

⒌相続税・贈与税

相続税・贈与税は、財産(遺産)に対して課される税金です。

⑴基礎控除

相続税・贈与税を計算する上で、基礎控除額を控除します。したがって、財産の価額が基礎控除額以下である場合には、相続税・贈与税はかからないということになります。

①相続税

妻と子二人の場合には、3,000万円+600万円×3=4,800万円です。

*養子がいる場合には、(何人いても)含める養子の人数は、次のとおりです。実子がいるときは一人、いないときは二人です。

②贈与税

暦年課税贈与は110万円、相続時精算課税贈与は2500万円です。

*暦年課税贈与とは、基本的にその年だけで課税関係が完結する贈与です。(3年以内に相続が開始した場合には、贈与財産を相続財産に加算して、相続税を計算します。)

相続時精算課税贈与とは、贈与時に贈与税として前払いを行い、相続時に贈与財産を相続財産に加算等して、相続税を計算します。届出が必要です。

⑵相続税評価額

相続税・贈与税を計算する上での財産の価値が相続税評価額です。現金の相続税評価額は変わりませんが、不動産の相続税評価額は少なくなります。実勢価格(時価)の土地は80%程度、建物は70%程度といわれています。

そうすると、貸宅地80%×(1-60%)=32%、貸家建付地 80%×(1-60%×30%)=65.6%、貸家 70%×(1-30%)=49%程度となります。

つまり、現金を不動産にすることにより、相続税評価額が少なくなるため、相続税・贈与税も少なくなります。また、借入金がある場合には、相続税を計算する上で控除することができます。

⑶小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)

親族が次の条件を満たす宅地等を取得した場合等には、その宅地等の価額のうち200㎡に対応する部分の金額を、50%減額することができます。

その条件とは、その親族が相続税の申告期限までの間に、不動産貸付業等(準事業を含みます。)を引き継ぎ、申告期限まで所有を継続し、かつ、事業を継続していることです。

注:その不動産貸付業が相続開始前3年以内に開始された場合には、原則として減額することはできません。ただし、原則として申告期限までにその宅地等が分割されていなければなりません。

⑷分割方法と問題点

①分割方法

遺産の分割方法には、現物分割・換価分割・代償分割があります。現物分割とは、遺産を現物のまま分割する基本的な方法です。

換価分割とは、遺産を譲渡し、その代金を分割する方法です。代償分割とは、相続人の誰かが遺産を取得し、他の相続人に差額を支払う方法です。

②問題点

遺産がほとんど不動産の場合には、次の問題が生じます。現物分割で共有(区分所有)にすると、遺産の保有・運用で揉める可能性があります。

換価分割にすると、譲渡したその遺産に対して、譲渡所得が課されます。代償分割にすると、遺産を取得した相続人に十分な資力がなければなりません。

⑸税率

相続税は10%から55%までの超過累進税率、贈与税のうち暦年課税贈与も10%から55%までの超過累進税率、相続時精算課税贈与は20%の比例税率です。

相続税と贈与税(暦年課税贈与)は同じ税率ですが、同じ金額に乗ずる税率は相続税の方が低いです。⑴の基礎控除とあわせて同じ財産ならば、相続税の方が税金は少なくなります。(住宅取得等資金の贈与税の非課税などがあれば、贈与税の方が少なくなることもあります。)

⑹まとめ

現金を不動産にすれば、相続税評価額が少なくなるので、相続税・贈与税を節税できます。また、相続税については、小規模宅地等の特例により、さらに相続税評価額を少なくすることができます。ただし、遺産の構成割合によっては、分割時に問題が生じる可能性があります。

⒍おわりに

いかがでしたでしょうか。不動産投資を行うといろいろな税金が発生し、その節税方法も多岐にわたるため、判断に迷われると思います。そんな時は専門家である税理士にご相談ください。
ただし、さまざまな税理士がいますので、慎重に選ぶ必要があります。(物件選びの次に重要だと思います。)

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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